2005 Fiscal Year Annual Research Report
唾液ペルオキシダーゼ活性と齲蝕ならびにヒポチオシアン酸の関係
Project/Area Number |
17791539
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
西岡 孝浩 九州歯科大学, 歯学部, 助手 (30305825)
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Keywords | 唾液 / ペルオキシダーゼ / 活性測定 / ヒポチオシアン酸 / う蝕 |
Research Abstract |
今年度の研究の目標である6歳前後の小児と成人からの刺激唾液、無刺激唾液の採取と同時に口腔内状態の記録などの試料の採取を行ってきた。今後も計測と同時に試料の採取を行う予定である。採取された無刺激唾液と刺激唾液の差は今のところ無刺激唾液と刺激唾液ではそれほど大きな差は見られないことや個人差が大きいことがわかり、今後の研究では刺激唾液を検索することで十分であるとの結論を得た。さらに唾液ペルオキシダーゼ活性とう蝕さらには生産されるヒポチオシアン酸濃度に関しては相関関係があることがわかったが(小児歯科学会九州地方会、小児歯科学会などで発表)それほど大きな相関関係ではない。また同じサンプルでも実験ごとの誤差が大きいのもこうした相関関係に影響を与えているが、誤差の原因として考えられるのは、実験に全唾液を使用しているためその中に含まれている多くの還元剤の存在である。というのも実験の中でヒポチオシアン酸の濃度測定には5-thiobis-nitrobenzoic酸を使用しているが、これは生成されるヒポチオシアン酸だけでなく唾液に含まれる還元剤とも反応してしまうのが問題である。さらに成人では問題ではないが、小児においては無刺激唾液の採取において絶対量の不足がある。病院に来院している小児も対象にしているが、無刺激唾液の採取は時間がかかるので困難を極めている現状がある。またこの問題は先ほど挙げた還元剤の存在とも関係があり、還元剤の影響を抑えるには透析を行うのが一般的であると思われるのだが、絶対量が少ない場合には透析膜内より試料を取り出す際にその多くが失われてしまう可能性がある。テクニックの問題でもあるが現在、2つの方法が現在考えられており一つは凍結乾燥をおこなう、もしくは遠心ろ過による濃縮を行う方法を考えており、現在、後者の方法にて検索を行っており、様々な条件を変え最適な方法を模索している。
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