2005 Fiscal Year Annual Research Report
マルチモダリティ三次元画像融合による顎矯正手術シミュレーション法の確立
Project/Area Number |
17791540
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
上地 潤 北海道医療大学, 歯学部, 助手 (80372879)
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Keywords | 外科的矯正治療 / 顎矯正手術 / バーチャルリアリティ / 手術シミュレーション / コンピュータ支援診断 / 三次元画像融合 / 三次元形状計測装置 / 三次元CT |
Research Abstract |
われわれは、顔面非対称を有する顎変形症症例に対してエックス線CTスキャンからの顎顔面骨格情報と三次元スキャナからの歯列情報を融合した顎矯正手術シミュレーションを臨床応用している。本研究では、本シミュレーション法の科学的根拠を明確にするためにシミュレーションの方法の改良と精度の検証を行った。 これまでの方法では、患者の口腔内に矯正装置や補綴装置などの金属が存在する場合、エックス線CT撮像時にアーティファクトが生じ、解析の対象となる骨体や画像融合の際に基準となるマーカーの抽出が困難となりシミュレーションの精度を低下させる可能性があった。今回は、まずこの問題を解消するために以下のようにシミュレーション法を改良し、精度の向上を図った。 まず、シリコン材で作製したレファレンススプリントにセラミック球を3か所貼付して画像融合の際の基準とした。このときの顎位は、セラミック球にアーティファクトが干渉しないよう開口位とした。次いで本スプリントを口腔内および平行模型に装着し、各情報の取得を行なった。その後、各モダリティから得られたスプリントと平行模型に貼付したセラミック球の像の位置関係から、最小二乗法に基づいた剛体位置合せを5回行うことにより、実際の手術の際に目標となる三次元的サージカルゴールを求めた。 本法を適用することで位置合せの際に生じる根二乗平均(RMS)誤差の総和が平均で0.4mmから0.2mm以下に減少した。これにより顎矯正手術に伴う形態変化をより定量的かつ客観的に捉えることが可能となった。今後は、ファントムモデルを用いてシミュレーションを施行し、全体の誤差を詳細に検証する。 本研究の成果は、第15回日本顎変形症学会、第64回日本矯正歯科学会および第38回大韓矯正歯科学会で発表し、またAmerican Journal of Orthodontics and Dentofacial Orthopedics誌に投稿し受理された。
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Research Products
(1 results)