2005 Fiscal Year Annual Research Report
PTH/PTHrP受容体遺伝子変異によるシグナリングと細胞分化異常
Project/Area Number |
17791546
|
Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
下村 淳子 日本歯科大学, 新潟歯学部, 講師 (00386286)
|
Keywords | PTH / PTHrP受容体 |
Research Abstract |
(1)平成17年度研究計画の要約 野生型PTH/PTHrP受容体(PTH-R),PTH-R^<H223R>(Jansen型)、PTH-R^<P132L>(Blomstrand型)遺伝子を発現した骨芽細胞における変異型遺伝子タンパクの細胞内局在を電顕レベルで観察し、さらに小胞体あるいは細胞膜に局在する変異型受容体から伝達されるシグナリングの差異、ならびに、それによって生じる骨芽細胞の分化について検討する。 (2)研究内容 野生型PTH-R、PTH-R^<P132L>及びPTH-R^<H223R>遺伝子発現ベクターをMC3T3-E1細胞にtransfectionし、共焦点レーザー顕微鏡及び免疫電顕観察を行い、変異型受容体の細胞内局在を観察した。その結果、野生型PTH-R遺伝子を導入したMC3T3-E1細胞では、細胞膜表面に均一なPTH-R陽性反応を認めた。またPTH-R^<P132L>遺伝子を導入した細胞では、細胞膜表面にPTH-R陽性反応をほとんど認めず、小胞体の一部に蓄積する像、および細胞質内に拡散する像を認めた。一方PTH-R^<H223R>遺伝子を導入した細胞では、細胞膜上に変異型タンパクの局在が僅かに認められたが、細胞質内に散在する像も観察された。以上の結果より、野生型PTH-Rタンパクは小胞体・ゴルジ体を経由してすみやかに細胞膜上に輸送されるが、PTH-R^<P132L>タンパクは小胞体の"quality control(品質管理機構)"によって細胞膜まで輸送されず、小胞体蓄積および細胞質内漏出によって処理される可能性が推測された。また、PTH-R^<H223R>は僅かに細胞膜まで輸送されていることから、変異型タンパクのコンフォメーションの違いに起因すると考えられた。 (3)研究実績 上記までの研究成果を、日本小児歯科学会、日本骨代謝学会、米国骨代謝学会、および歯科基礎医学会にて発表した。
|
Research Products
(2 results)