2005 Fiscal Year Annual Research Report
超・極低出生体重児における口腔形態の特徴と音声の音響学的分析
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17791549
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
近藤 亜子 朝日大学, 歯学部, 助手 (10350878)
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Keywords | 低出生体重児 / 口腔形態 / 音響学的分析 |
Research Abstract |
超・極低出生体重児の口腔形態の発達について、幼児期から学童期前半にかけてフォローアップしてきた超・極低出生体重児の乳犬歯間幅径、咬合力、筋活動量について観察した結果、幼児期には乳犬歯間幅径が小さく、咬合力が弱かったが、学童期に入り身長や体重は標準よりまだ低い値であるものの、咬合力や咀嚼機能についてはともにキャッチアップしてきていることが明らかとなってきた。 また、発音障害を主訴として来院する患者が増加している中、その原因は様々で確定することが困難であり、このような患者への対応や治療はいまだ確立されていない。測定方法の検討と発音異常児への臨床応用例として、発音異常を有する患児において音声の音響学的分析を行い、視覚的かつ定量的な治療評価を行った。さらに、舌強直症が原因と思われる構音障害を有する患児が来院したので、舌小帯切除前後で構音検査を行い、解剖学的・機能的改善、また切除後の舌機能訓練により、客観的な発音の変化を比較した。 方法として、舌運動の訓練を行った後、局所麻酔下にて舌小帯切除術を行った。録音は舌運動訓練開始前、舌小帯切除術直前、術後1週間、1か月、3か月において行った。検査音は、52語の単語と22種のVCV語文構造をもつ無意味音節構音検査音、文章、単音節を順番に読んでもらった。聴覚的な評価方法には単音節明瞭度検査を用い、録音した患児の音声を3人の聴取者に聞かせ、正しく聞き取られた単音節の割合の平均値を単音節明瞭度とした。これによって聴覚的異常が認められた単音節について、それぞれの検査音の原音声をパーソナルコンピューター内で音声分析可視化ソフトを使用し分析を行った。 その結果、舌小帯切除術および舌運動の訓練によって、〔s〕音・〔r〕音構音時における舌の動きが前方および低位に変化して構音障害が改善してきたことを音響学的に確認した。
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Research Products
(1 results)