2005 Fiscal Year Annual Research Report
超音波刺激により活性化される歯周病細菌由来CDTの細胞死誘導機構の解析
Project/Area Number |
17791560
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
笠井 宏記 九州歯科大学, 歯学部, 助手 (60398469)
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Keywords | 歯周病細菌 / CDT / アポトーシス |
Research Abstract |
最近我々のグループはグラム陰性嫌気性細菌であるA.actinomycetemcomitansの産生するCDTを作用させた培養上皮細胞の致死作用が、超音波刺激により亢進することを見出した。本研究の目的は、in vitroの培養系で各種細胞を用いて、この超音波刺激により亢進した細胞死の性状を明らかにし、細胞死誘導における細胞内情報伝達メカニズムを分子レベルで検索することである。 本年度の研究で我々は、超音波刺激によるA.actinomycetemcomitansのCDTの作用を解析する前に、マウスマクロファージ細胞株J774.1にA.actinomycetemcomitansのY4株を感染させ、アポトーシスに関わる細胞内シグナルタンパクの発現をWestern blottingにて解析した。また、caspase阻害剤を使用し、フローサイトメーターにて細胞周期とアポトーシスの発現を調べ、細胞内タンパクの発現をWestern blottingで解析した。その結果、A.actinomycetemcomitans感染後、caspase-6,-7の活性が上昇し、核膜構成タンパクのlamin AとDNA修復に関与するPARPの開裂が検出された。また、caspase-3,-6,-7阻害剤を作用させるとアポトーシスのみが抑制され、lamin AとPARPの開裂は確認されなかった。しかし、細胞周期に変化は認められなかった。以上により、感染マクロファージのアポトーシス誘導においてcaspase-6,-7が活性化し、lamin AとPARPの開裂が関与していることが明らかとなった。
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