2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17791561
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
村岡 宏祐 九州歯科大学, 歯学部, 助手 (80382422)
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Keywords | 歯周炎 / 咬合性外傷 |
Research Abstract |
本研究の目的は、動物の歯に実験的歯周炎を惹起させ、その歯の歯周組織の変化を検討することである。 本実験の遂行にあたり、慢性歯周炎広範囲型に罹患した患者を被験者とし、プラークコントロール・縁上スケーリング・ポケット内洗浄を行ったのをSP群(被験者数10名)、ルートプレーニグを行ったのをRP群(被験者数6名)とし、被験者に歯周基本治療を行い、治療前後で全顎および動揺歯の咬合がどのように変化したかを感圧測定シートデンタルプレスケールにより咬合接触関係を検討した。臨床パラメータ、PPD、PAL、TM、咬合接触関係の解析は、咬合力、咬合面積、最大圧力、平均圧力である。 その結果、SP群では、前歯部の動揺歯は、ポケット内洗浄を行うと有意な値を認めないが、咬合力は、初診時37.5(N)からSP後40.1(N)などと咬合接触関係が改善した。また、前歯部の動揺歯で、PPDの改善とPALの改善と咬合力の増大は有意な相関を認めた。RP群では、咬合面積、最大圧力、平均圧力で、RPにより初診時と比較して有意な増加を認めた。咬合力も有意差を認めないが、初診時54.8(N)からRP後59(N)と増加していた。臨床パラメータは、歯周基本治療によって有意に歯周組織の改善を認めた。 本結果は、歯周基本治療によって咬合接触関係は改善される可能性があることが示唆された。このことは、歯周基本治療により歯周組織の改善を認めるがそれに伴う咬合機能の改善は微小であることが推測される。このため消炎を行うことが歯周病罹患歯の歯根膜の病態生理に大きな影響を及ぼしていることは容易に推測できるため、今後、今回の報告に基づく炎症が歯周病罹患歯の歯周組織がどのような影響を及ぼすかを検索する必要がある。
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