2005 Fiscal Year Annual Research Report
咀嚼と嚥下の協調に関する研究-特に顎運動と食塊輸送との関連-
Project/Area Number |
17791571
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
戸原 玄 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 助手 (00396954)
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Keywords | 嚥下 / 咀嚼 / 顎運動 / 食塊移送 / 協調運動 |
Research Abstract |
1) 咀嚼嚥下時の矢状断的な食塊移送と前顎断的な顎運動の同時解析システムの開発 咀嚼と嚥下の協調に関する知見を深めるため、咀嚼嚥下時の矢状断的な食塊移送と前顎断的な顎運動との関連に着目した。健常成人に対しバリウム含有クッキーを咀嚼させ、嚥下造影側面像と正面カメラ像とを同時に記録した。それぞれの動画をイメージミキサーを用いて同期させることにより、食塊および顎の動きを同時解析することに成功した。 2)矢状断的な食塊移送と前顎断的な顎運動の関連 健常成人に対しバリウム含有クッキー8gを咀嚼させ、上記のシステムを用いて動画を記録した後2次元運動解析ソフトを用いて顎運動経路解析を行った。 嚥下造影側面像での食塊位置を4期に分類し、食塊位置と顎運動変動についてtwo-way repeated-measures ANOVAを用いて検討した。 各食塊移送期における顎運動側方変動量は食塊移送の進行とともに減少し、食塊が喉頭蓋谷に達した時点で有意な減少(p<0.05)を認めた。顎の垂直変動量は食塊が口峡を過ぎた時点で有意な減少(p<0.01)を認めたが、その後に減少する者と増大する者に大別された。 本研究により、これまで一連のサイクルとして考えられていた摂食・嚥下中の顎運動サイクルは、食塊位置で異なることが示唆された。また、咀嚼の進行に伴い食塊を咽頭に送り込む際の顎の動きは、増大傾向を示すパターンと減少傾向を示すパターンがあると考えられた。
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