2005 Fiscal Year Annual Research Report
骨粗鬆症における下顎頭骨変化-咀嚼による機械的応力が骨構造に与える影響の解明-
Project/Area Number |
17791574
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
渡邉 直子 新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (10397143)
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Keywords | 下顎頭 / 骨粗鬆症 / 三次元骨形態計測 |
Research Abstract |
研究の目的 現在の超高齢化社会において、噛めること、すなわち咀嚼機能がクオリティーオブライフを維持するために重要である。高齢者の咀嚼機能の維持には、全身的骨粗髪症の咀嚼器官、つまり顎関節、歯槽骨への影響を正確に把握することが不可欠である。そこで本研究では、ヒトに近い実験動物サルを用い、骨粗鬆症における顎関節動態を、咀嚼によって生じる機械的応力も加味して総合的に検討することとした。本年度は全身的骨粗鬆症状態での下顎頭形態解析を主に行った。 研究結果 ○3次元微細骨構造の検索 microCT(現有設備)を用いて撮像したOVX群(実験群)、Sham群(コントロール群)の下顎頭微細骨構造を3次元再構築し、観察した。その結果、Sham群は厚い皮質骨でほぼ均一に覆われているにもかかわらず、OVX群は後方の皮質骨が非常に薄くなり、明瞭な連続性が失われていた。海綿骨においては、Sham群では密で板状の海綿骨が認められたが、OVX群では非常に粗な棒状の骨梁構造であった。 次に3次元骨形態計測を行ったところ、同様に海綿骨解析において、BV/TV、Tb.Thはsham群示有意に高い値を示し、OVX群はSham群と比較して骨量減少と骨梁構造の脆弱化を呈していた。また、皮質骨解析ではOVX群の後方領域は有意に皮質骨の厚みが薄くなっていることが示された。今後は顎関節への咀嚼によって生じる機械的応力を三次元有限要素解析によって明らかにし、今回明らかとなった三次元微細構造との関連、及び今後解析予定の組織切片による微細骨形態計測の結果との関連について検討していく予定である。
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