2005 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー病モデルラットを用いた咀嚼及び顎口腔刺激が痴呆症に及ぼす効果の解析
Project/Area Number |
17791575
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
妹尾 日登美 大阪大学, 医学研究科, 助手 (00288945)
|
Keywords | 痴呆 / 認知症 / アルツハイマー / 咀嚼 / 口腔内刺激 |
Research Abstract |
痴呆脳において咀嚼が脳に影響を及ぼし、痴呆の進行抑制、ひいては脳機能の回復に寄与できるかどうかを探る目的で以下に示すような研究を行っている。 アルツハイマー病モデルB6C3-トランスジェニック(APPswe, PSENIdE9)と野生型B6C3マウスを用いて、咀嚼能力の違い、および咬合状態の変化が記憶および学習能力に及ぼす影響について解析を行っている。本トランスジェニックマウスは生後6、7ヶ月で脳内にヒトβアミロイドを蓄積すると報告されている。 アルツハイマー病モデルマウス10匹、野生型マウス10匹を用意し、両側臼歯部の歯をセボフルレン麻酔下にて上顎両側臼歯部の歯を抜歯し咀嚼力の低下を引き起こした群を作製した。抜歯をしないコントロール群と記憶学習能力について比較検討を行っている。 検査方法としてはモリスの水迷路および餌探し課題を行い、空間認知能力、学習能力を抜歯後3ヶ月経過した時点で評価を行った。 3ヶ月経過した時点ではアルツハイマー病モデルマウスの抜歯群と非抜歯群、また野生型マウスの抜歯群と非抜歯群との間には、モリスの水迷路、餌探し課題ともに有意な差は認められなかった。引き続き経時的に上記テストを行っていく予定である。 今後6ヶ月、1年経過した時点で血漿中あるいは脳内のアミロイドβ40およびアミロイドβ42の定量を行い、抜歯群と非抜歯群につき比較検討する予定である。 さらに非経口摂取状態を作り、その間、舌、歯肉、歯根膜にそれぞれ機械的刺激を与え続けた場合と刺激がない場合とを比較検討する予定である。
|