2005 Fiscal Year Annual Research Report
高度変性資料に対応可能なDNA多型を用いた法歯学的個人の識別
Project/Area Number |
17791584
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
丸山 澄 東京歯科大学, 法歯学講座, 助手 (30366190)
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Keywords | mtDNA / 個人識別 / 人種識別 / 変性資料 / 系統分類 |
Research Abstract |
1.mtDNAのcoding領域の多型・系統検査 211人の日本人のmtDNA全領域の塩基配列を決定することを目標とした。 以前はTaqGoldというTaqを用いていたが、LA Taqという広い範囲をPCR増幅できるTaqを用いることでPCR増幅の回数を減らすことができ、現在全領域を4分割または5分割して一度に広範囲の増幅を行っている。 mtDNAの多型検査には増幅、精製、Sequencing PCR、Sequenceなど結果が出るまでの実験過程が非常に多く、またデータ整理および解析がさらに手間のかかる細かな作業であり、現在も検査中である。これまでにも新たな変異部位が発見され、さらに詳細な日本人の系統が作成されつつある。また多人種のデータ整理を平行して行い、とくにアジアのさまざまな地域および人種との比較を行い、人種識別への応用も広がりをみせている。 これまでにも実際の鑑定などにも応用してきている。 今後も引き続き日本人の全塩基配列の検査および系統分類、さらに人種識別への応用について行う予定である。 2.変性DNAからの多型検出法の検討 抜去歯や血痕を資料とした変性DNAからの検査法についていくつかの方法を試みてきた。 (1)増幅サイズの違いによる検出効率およびそれに伴う新たなPrimer設計 (2)数種類の精製Kitを用いて、抽出されるDNA量や精製度合いの比較 1の検査結果からある資料がどの系統に当てはまり、さらにはどの地域に由来するのかを検査するために必要な検査領域を選択し、2の結果から最良の条件下で行えるようにする。 現在、実際の鑑定でも問題となる検査回数が限られた資料や変性資料の検査において、より有効な領域の選択が可能となってきている。今後も引き続き最適な領域を検査するために必要なPrimerの設計や、精製方法および増幅条件を検討していく。
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