2005 Fiscal Year Annual Research Report
視覚・聴覚刺激を用いた痴呆高齢者の誤嚥性肺炎予防に関する研究
Project/Area Number |
17791585
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
渡邊 裕 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (30297361)
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Keywords | 嚥下運動 / 視覚聴覚刺激 / 脳磁図計 / fMRI / ブローカ野 |
Research Abstract |
[fMRIによる研究] まず空間分解能に優れたfMRIを用いて、嚥下運動に関連した視覚・聴覚刺激により賦活される脳領野を調査することとした。実験は国際電気通信基礎技術研究ATR脳活動イメージングセンタのfMRI用いて計測・解析を行った。健常者12名に嚥下運動に関連した視覚・聴覚刺激や指のタッピング運動に関連した視覚刺激とそれらのコントロール刺激を作成し、それぞれを提示したときの脳賦活部位を検索した。それらの部位を詳細に検証したところ、指のタッピング運動ではブローカ野の活動が認められ、ミラーニューロンシステムの惹起が示唆された。嚥下運動に関連した視覚・聴覚刺激においても同様にブローカ野の活動が認められ、さらに他の部位の活動も認められた。現在詳細な検討を行なっているところである。 [脳磁図による研究] 東京歯科大学・口腔科学センターの脳磁図を用いて健常者に嚥下運動に関連した視覚・聴覚刺激を行なったときの脳皮質活動を調査した。その結果、ブローカ野などの活動が推定されるものの、その推定精度が十分でないことが分かった。そこで単純な視覚・聴覚刺激を健常者に提示したときの脳皮質活動を計測し、活動部位の推定方法の改良を行なっている。また、嚥下運動に関連した視覚・聴覚刺激の改良も行なっている。さらにfMRIから得られた活動部位の結果をふまえて、より精度の高い解析が行える推定方法を模索中である。 [介護老人保健施設における介入研究] 介護老人保健施設2施設(入所者数70名、通所20名)、(入所者数78名、通所20名)の入所・通所者とその家族に対し、本研究に関してインフォームドコンセントを行うとともに、それらの施設スタッフに対しても同様に本研究に関するインフォームドコンセントを行なっている。
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