2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17791597
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
真砂 涼子 自治医科大学, 看護学部, 講師 (30336531)
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Keywords | 足浴 / 香り / 入眠促進効果 |
Research Abstract |
足浴に香りを付加した場合の入眠促進効果を検討するため、(1)足浴のみ、(2)香りのみ、(3)香りを付加した足浴の3条件を比較検討した。 被験者は健康な男性7名であり、脳波(16ch)、皮膚温(右手掌、胸部、左上腕、左下腿、左下肢)、血流量(右手掌)、心拍数を指標とした。実験は、室温(25〜27℃)、湿度(50-70%)に保った実験室で行い、閉眼安静15分間の後、条件(1)、(3)では10分間の足浴(条件(2)では、足浴時と同様の体位を取るのみ)を行い、その後30分間閉眼にて安静状態を維持した。条件(2)、(3)では、香り提示システムにより、被験者がわずかに自覚する程度の香りをマスクから流した(オレンジオイル0.05ml、流量60-70ml、条件(1)ではマスクを付けるのみとした)。脳波の分析は、全てのデータをFFTにより周波数解析し、θ波、α波、β波の周波数帯域別にパワー値を算出した。それらのデータから、α波が50%以上消失し、低振幅θ波が出現する睡眠段階1を入眠期とし、入眠期の出現時間と持続時間を出した。皮膚温、血流量、心拍数は、5分間の平均値を算出し、比較した。 脳波の結果からは、足浴を行った条件(1)、条件(3)では足浴終了の2分〜3分後に入眠期をむかえる者が多く、従来の研究と同様に足浴が入眠を促すことが考えられた。条件(1)と(3)の間には差はなく、足浴に香りを付加することによる相乗効果は確認できなかった。また、条件では、香りの吸入後1分〜3分で入眠期をむかえる者が多かった。しかし、香りの吸入後15分以上経ってから入眠期をむかえるものもおり、香りによる入眠促進効果に個人差がある可能性が考えられた。皮膚温、血流量、心拍数には、条件間に有意な差は認められなかった。今回の脳波の結果から、足浴では入眠促進効果が期待できるが、香りのみあるいは香りを付加した足浴では、被験者により入眠促進効果に差がある可能性が考えられた。
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