2005 Fiscal Year Annual Research Report
尿中サイトカインによる看護職者の身体的疲労度の定量的評価法の開発
Project/Area Number |
17791603
|
Research Institution | Oita University of Nursing and Health Sciences |
Principal Investigator |
福田 広美 大分県立看護科学大学, 助手 (00347709)
|
Keywords | 看護職者 / 身体的疲労 / サイトカイン / 尿 / 疲労評価法 / 看護管理 |
Research Abstract |
看護管理の視点から安全管理や勤務体制などの検討を行う際に、看護職者の疲労を客観的に把握することは極めて重要である。看護職者の身体的疲労をより適切に評価するため、運動負荷による疲労モデルを用いて尿中に排泄される疲労性サイトカインの種類と量的変動を検討し、疲労の定量的評価法を確立することを目的に実験研究を行った。 本研究の対象者は、妊産婦を除く健康な20〜30歳代の女性10名であった。疲労モデルは、勤務中の看護職の活動量に相当する運動負荷を自転車エルゴメーターを用いて行った。運動負荷の種類は、最大酸素摂取量40%、50%、60%の3種類を設定し、各運動負荷時間は30分間であった。各運動前後、1時間後、2時間後と24時間後に採尿と採血を行った。運動負荷による尿と血液に発現するサイトカイン類の種類の検討には、Cytokine Protein Array System III(CPAS)を用いて定性実験を行った。CPASにより発現の認められた尿中、血中サイトカインをELISA(Enzyme-linked immunosorbent assay)kitを用いて定量化を行った。 CPASによる定性実験の結果、運動後に血液中および尿中に発現したサイトカインの種類は、Angiogenin(ANG)、Interleukin-8(IL-8)、IL-1α、などであった。ELISA kitによるIL-8とANGの定量化の結果、最大酸素摂取量50%の運動負荷時の血中IL-8は、運動終了直後に増加傾向を認め、運動終了2時間後より有意に(p<0.05)減少したが、尿中IL-8は、運動終了2時間後と24時間後に有意に(p<0.05)増加した。さらにIL-8とANGは運動負荷強度に伴い増加傾向を示した。本研究では、血漿中と尿中のIL-8やANGが、疲労の定量的評価法として成りうる可能性が示唆された。
|
Research Products
(1 results)