2006 Fiscal Year Annual Research Report
ケアの価格に根ざした産科混合病棟の人員配置に関する研究
Project/Area Number |
17791606
|
Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
松永 佳子 東邦大学, 医学部, 講師 (70341245)
|
Keywords | 産褥期 / ケア / 価格 / WPT / 時間 |
Research Abstract |
本研究は、助産師が提供するケアに対する価格を導くことにより施設にどのような収入がもたらされ、その収入から適切な人員配置を試案することを目指している。昨年度は、正常褥婦に提供されているケアの実際と、褥婦の提供されたケアに対する満足度を明らかにすることを目的として調査を行った。その結果、褥婦に対し分娩後2時間から退院までに提供されている「直接ケア」時間は平均時間9時間26分であった。また直接ケア時間に影響を及ぼす要因として緊急入院、分娩が考えられた。 一方、褥婦は産褥期に提供されたケアにおおむね満足していた。しかし、初産婦と経産婦では満足しているケアに違いがあった。少数ではあるが「不必要なケア」として認識されたケアもあった。 以上の結果から、コアとなるケアとオプショナルとして選択可能なケアを明らかにし、価格を算出することの必要が明らかになった。 本年度は、ケアを提供する側に注目し、実際のケアに要する時間、どのようなときに忙しさを感じているのか、どのようなケアを実際に提供しているのか、産褥期に主に提供されるケアの難易性について調査を行った。その結果、実際のケアに要する時間と看護者の忙しさは相関しているわけではなく、相対的に忙しさを感じていること、授乳に関するケアを調整することで時間を調整していること、技術的な側面ではなく、精神的なサポートに難しさを感じていることが明らかになった。 また、本年はUSAで人員配置に関する調査を広く行っているEmory大学看護学部に訪問し、研究対する示唆を得た。 そこで、最終年となる来年度は、仮想評価法(CVM)を用い、コアにとなるケアとオプショナルとして選択可能なケアを提示し、実際に褥婦に調査を行い、その価格について算出していきたい。その結果、産褥期施設収入を明らかにし、その収入に基づく人員配置をシュミレーションすることをめざしたい。
|