2006 Fiscal Year Annual Research Report
倫理的判断を必要とする場面での看護師の対処行動とこれに影響を及ぼす価値観
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17791607
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Research Institution | The Japanese Red Cross Toyota College of Nursing |
Principal Investigator |
桂川 純子 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 助手 (40369608)
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Keywords | 看護倫理 / 価値観 / 対処行動 |
Research Abstract |
倫理的判断を必要とする場面について把握するために新生児医療における親による治療拒否場面について検討してきた。概念分析の結果を踏まえて、新生児医療における治療拒否場面を実際に経験した看護師に面接調査を行うことを計画した。しかし、調査対象者を得ることが困難であり、これについては引き続き実施していく予定である。 倫理的判断を必要とする場面での看護師の対処行動とそれに影響を及ぼす価値観の一般的な傾向について調査するために、質問紙調査を実施した。倫理的判断を必要とする問題場面には岡谷(1999)の調査項目を用いた。日本赤十字豊田看護大学研究倫理委員会の承認を得た。対象は中部・北陸地区にある総合病院に勤務する看護師1737名で、説明文書および質問紙の配布は各施設に協力を依頼し、回収は調査対象者個人による郵送法とした。回収は635名(36.6%)であった。看護師経験5年以上の者が466人(73.4%)、管理職は92人(14.5%)であった。倫理的な問題場面に遭遇していると感じたことのある看護師は601名(94.6%)で、多くの看護師がそのような場面に直面していた。具体的には「医師の指示が患者にとって最善ではないと感じるが、それを医師に伝えることができなかったり、その指示に従わなくてはならない時」583名(91.9%)、「自分の能力を超える仕事をしなければならず、自分の知識や技術に自信がもてないがやらなければならない時」576名(90.6%)、「患者のプライバシーや秘密が守りきれていないと感じるがどうにもならない時」561名(70.6%)が上位を占めた。今後、具体的な対処行動と価値観について分析を進める予定である。
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