2007 Fiscal Year Annual Research Report
倫理的判断を必要とする場面での看護師の対処行動とこれに影響を及ぼす価値観
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17791607
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Research Institution | The Japanese Red Cross Toyota College of Nursing |
Principal Investigator |
桂川 純子 The Japanese Red Cross Toyota College of Nursing, 看護学部, 助手 (40369608)
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Keywords | 看護倫理 / 価値観 / 対処行動 |
Research Abstract |
倫理的判断を必要とする場面での看護師の対処行動とそれに影響を及ぼす価値観の傾向を明らかにするために行った質問紙調査について分析を進めた。対処行動のうち「第三者に相談する」、「関係者(当事者)と話し合う」、「文献などを読む」、「職場の倫理委員会など公の場に持ち込む」を積極的対処行動として分析した結果、提示した17場面での積極的対処行動は平均69.3%であった。しかし、「特定対象の"VIP待遇"のように、患者に平等な対応ができない時」、「治験や臨床研究などを行う際に、必ずしも患者の利益になっていないと感じるが関わらざるを得ない時」では、何とかしなければならないと思いつつも積極的行動は取られず、医療チーム以外の関係者との関わりが必要な場面での対処行動に課題があると考えられた。積極的対処行動は、管理者である看護師で、基礎教育を終了後、別に教育を受けた者が多く、客観的なデータの収集や論理的な思考の展開を重視することに価値観をおく理論志向型と関連した。一方で、「ひとりで悩む」、「解決の手段がないのでそのままにする」などの対処行動について一般的な価値傾向は明らかにならなかったが、何とかしなければならないという想いがあり、対処行動が見出せずジレンマに陥っている状況が示唆された。 また、倫理的判断を必要とする場面を新生児医療における親の治療拒否場面に限定せず、フォーカスグループインタビューを行った。看護師は、対象者の最善の利益に価値をおいていた。また、関係者間の調整に困難を感じている状況が見出された。しかし、倫理観の振り返りによって、自分身身が行動の主体となる認識を強くしていた。 今後、倫理的判断を必要とする場面での看護師の行動において、場面を客観的に把握し理論的に分析する能力の獲得、関係者間の調整能力の向上、自己の振り返りをサポートする機会に焦点化した研究を進める必要があると考えられた。
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