2006 Fiscal Year Annual Research Report
ICU看護師の視覚・触覚情報の取り込みと臨床判断への活用プロセス
Project/Area Number |
17791613
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
荒井 真紀子 群馬大学, 医学部, 助手 (30361364)
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Keywords | ICU看護師 / 記憶 / 用語再生 / 看護情報 / 情報伝達 |
Research Abstract |
看護情報に対する、ICU看護師の記憶・再生の特徴を明らかにすることを目的とした。ICU看護師43名を対象に、視覚・聴覚・触覚的に提示された連続性のない看護活動に関連する30用語の記憶・再生調査を行い、再生内容と系列位置による再生率のパターン、記憶理由を量的に分析した。再生した用語はICU看護に関連する看護行為用語が多く、病名や病態を表す用語は少なかった。再生の特徴は、20歳代は病名や物品などの「その他用語」を多く再生し、経験6年以上群はすべての領域に共通する一般的看護用語の「一般用語」をICU経験2年以下群はICUに関連する「ICU用語」をより多く記憶・再生したことであった。系列位置による再生率パターンは、「前後期記憶パターン」と「中期記憶パターン」に分類され、掲示時期に関係しない想起可能な情報ネットワークの存在が示唆された。記憶理由の上位は、看護場面や日常業務などの映像を伴った理由であり、複数の記憶理由を活用しながら、年齢と関係しない記憶・再生能力を保持していた。このような看護情報の記憶・再生の特徴は、記銘力の高さや看護師の経験の量というより、個々の情報のネットワーク構築に関連した経験の内容や質によるものと考えられた。以上より、看護情報伝達においては、初頭部で重要な情報を伝達するという生理的メカニズムに基づく方法に加え、あらかじめ共有できるエピソードに準えて情報を伝達する方法や、用語間の関連性を重視し、使用頻度の高い用語に伝達したい用語を組み合わせる方法など、伝達方法を意図的に工夫することで、より有効な伝達が可能になると考えられた。
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