2006 Fiscal Year Annual Research Report
脳卒中患者の"しびれ"を改善し生活を再構築するための支援
Project/Area Number |
17791615
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
佐藤 一美 山梨大学, 大学院医学工学総合研究部, 助手 (80320365)
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Keywords | しびれ / 生活 / 脳神経疾患患者 / 看護学 |
Research Abstract |
本研究の目的は,脳卒中患者のしびれの種類や程度を把握し,しびれにより支障をきたしている日常生活行動やしびれの軽減方法との関係を明らかにすることで,しびれを改善し日常生活を再構築するための支援について示唆することである。 平成18年度は主にしびれ感の種類や程度と末梢血流状態との関係に着目して調査を行った。しびれ感は「ジンジン」「ピリピリ」「チクチク」「ザワザワ」の4種類とし,その程度をVASにて測定し数量化した。末梢血流状態は四肢の皮膚表面温度と血流速度・量とし,それぞれ温度計測器,双方向超音波血流計を用いて測定した。 1.健常者の体験したことのあるしびれ感と循環障害に着目し,健常者6名を対象に正座により生じるしびれ感と末梢血流状態の関係を検討した。その結果「ジンジン」は血流量の減少に伴って著しく生じ,「チクチク」は減少していた血流量が増加し始めた時に強く出現した。「ザワザワ」は血流量減少時と増加時の両方に認められた。同一体位による血流の減少・悪化を早期に把握するためには,「ジンジン」などの感覚の有無を定期的に聞き,体位を工夫する必要性が示唆された。 本結果は平成18年度第26回日本看護科学学会学術集会にて報告した。 2.脳卒中患者のしびれ感と末梢血流状態との関係を明らかにするために,脳卒中後でしびれのある患者10名としびれのない患者6名を対象として調査を行った。本調査ではしびれ感と,しびれ感以外の感覚(温冷覚・痛覚・触覚)と末梢血流状態との関係も比較している。その結果,しびれ感と皮膚温の関係では,「ジンジン」と上腕の皮膚温が正の相関を示すなど複数の測定箇所で有意な相関が認められた。また,血流速度(量)とは有意な相関は認められなかったことから,脳卒中患者のしびれ感改善方法の1つとして温度調節が効果的である可能性が示唆された。
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