2005 Fiscal Year Annual Research Report
がんの子どもの日常生活における意思決定と親子のコミュニケーションを支える看護援助
Project/Area Number |
17791618
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
宮城島 恭子 浜松医科大学, 医学部, 講師 (60345832)
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Keywords | がんの子ども / 自己決定 / 看護援助 / 親子 / コミュニケーション / 日常生活 |
Research Abstract |
1.17年度:がんの子どもの自己決定の特徴・関連要因の把握と自己決定を支える看護援助の評価のための方法についての検討 修士論文では対象者数が少なく質問紙の信頼性・妥当性の検討が十分にできず、がんの子どもの自己決定の特徴・親子のコミュニケーションを含めた自己決定の関連要因が十分明らかにならなかったことから、看護援助を行うためには、修士論文で使用した自己決定の質問紙・面接調査の内容を再検討する必要があった。そこで、今年度は、文献検討を重ねたり、修士論文の質問紙・面接調査で得られた結果を研究会等で発表し参加者とのディスカッションを行ったり、スーパーバイザーからの助言を得たりして、がんの子どもの自己決定の特徴・関連要因の明確化、看護援助方法の具体化、看護援助の評価に使用できるような、質問紙の内容を検討した。 検討の結果、がんの子どもの中でも思春期の外来通院中の患児を対象者とすることにした。そして、看護援助の具体的方法検討の前提となるがんの子どもの自己決定の特徴・関連要因を明らかにするために、健康な思春期の子どもの自己決定・関連要因の調査、質問紙の信頼性・妥当性の検討、がんの子どもと健康な子どもの比較調査をすることとし、当初の予定を一部変更した。がんの子どもと健康な子どもは共通の質問内容と、がんの子ども特有の質問内容を設け、健康管理と社会生活上の自己決定の現状や欲求、周囲との関係性などの自記式質問紙調査を実施する準備をしている。健康な子どもは、小学校高学年、中学生、高校生と年代別に500人程度を対象者として、健康な子どもにとっても、負担が最小限で、自己を振りかえり自己決定への動機付けにつながるような質問内容とした。がんの子どもとその親については、看護援助につなげるため、親子の関係性や自己決定の認識(現状と希望)について比較調査する。次年度早々の倫理委員会に諮り、健康な子ども、がんの子ども、がんの子どもの親への質問紙調査を実施する予定である。がんの子どもの診療録調査と外来受診時の参加観察は、がんの子ども・親の質問紙調査と平行して実施する予定である。
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