2008 Fiscal Year Annual Research Report
がんの子どもの日常生活における自己決定と親子のコミュニケーションを支える看護援助
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17791618
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
宮城島 恭子 Hamamatsu University School of Medicine, 医学部, 講師 (60345832)
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Keywords | がんの子ども / 健康管理と社会生活 / 意思決定 / 日常生活 / 周囲の人との関わり / 親子 / コミュニケーション / 看護 |
Research Abstract |
思春期のがんの子どもの健康管理と社会生活上の意思決定プロセスの特徴を明らかにするために、小学校5年生〜高校3年生の外来通院中の小児がん患者11名(小学生2名、中学生5名、高校生4名)に各1〜2回平均44.8分の面接調査を行った。調査内容は、健康を考慮した学校生活活動の参加の仕方の決定、周囲の人への健康状態の伝え方の決定、医療に関することの決定等における状況認識や決定方法、気持ち等であり、以下のことが明らかになった。 11名中8名が最終退院後5年以内であり、体育や運動会など体を動かす活動への参加の仕方について、皆と一緒にやりたい気持ちを持ちながら、自分の体力を考慮し活動を選択するという葛藤した経験をもち、その際家族や教員に自分の意思を伝えたり相談したりしていた。また、学校生活における周囲への健康状態の伝え方については、入院・病気体験について教員は知っている場合が多く、通院に伴う早退や、体力低下に伴う活動調整、体調不良に伴う休息などについて患児から伝えていた。友人に対しての説明は、個人差が大きく、病名も含めて伝えている患児、病名は伝えないが脱毛やかつらについて伝えた患児、自分からは伝えず訊かれた場合に通院のために早退することや体育の見学についてのみ伝えた患児と様々であり、患児の判断・気持ちも個人差があった。医療に関する決定については、入院中の治療について説明は受けていたが、選択の余地はない状況であった。点滴の刺入部位について選択したり、入院や治療に伴う生活の仕方については医療者に質問して選択の幅が広がったりした患児もいた。様々な決定場面に合わせて、患児の意思・葛藤する気持ちの表出の機会を設け、それらを受け止め、選択の幅が広がるような支援が必要であると考えられた。
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