2005 Fiscal Year Annual Research Report
臓器提供における意思決定に関する研究〜家族の意思決定を支える看護実践能力の検討〜
Project/Area Number |
17791620
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
三浦 清世美 中部大学, 生命健康科学研究所, 助教授 (20332695)
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Keywords | 臓器移植 / 臓器提供意思 / PILテスト |
Research Abstract |
<1>臓器移植と臓器提供意思に関する質問紙の作成 臓器移植や臓器提供に対する希望・意思・知識に関する質問紙を作成するために、臓器移植に関りのある看護師3名、看護教員1名、医師1名、中学生の子どもをもつ母親2名を対象にグループディスカッションまたは個人面接を行った。インタビュー内容は、現行の臓器移植法、脳死、臓器移植に対する意識、臓器提供意思表示カード、小児からの臓器提供、子どもの権利に関する意識についてである。自作の臓器移植と臓器提供意思に関する質問紙(16項目5段階尺度)を作成した。成人女性3名、中学生2名を対象にプレテストを行い、質問内容や表現の適切性について検討を行った。 <2>臓器提供意思に影響する要因について 学会や研究会に参加し、臓器移植や臓器提供場面における問題点と課題、小児からの臓器提供に関する問題点について重要な示唆を得た。また、文献検討では、看護学生の場合、臓器移植に対する態度はメディアや臓器移植法など社会の変動要因の影響を受けつつも、生命に対する思いや考えを左右する要因が影響していること(内田2000)、大学生は他者への援助や思いやりといった「向社会的行動傾向」よりはむしろ「死生観」に強く影響されていること(中西ら1997)、人間の死生観は生まれ育った文化や習慣など、周囲の環境に大きく影響をうけること(池口1998)、子どもの死生観形成に大きな役割を担う親自身もまた死に関連する自己の課題を抱えていること(小松2001)が明らかになった。以上より、H18年度の調査対象を大学生だけでなく、中高生とその保護者に拡大し、PILテストを用いて生きる意味・目的、死生観、病気・苦悩観と臓器提供意思の関連を探る必要性が示唆された。
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