2005 Fiscal Year Annual Research Report
外来化学療法を受けるがん患者のヘルスプロモーションを促進する看護介入の検討
Project/Area Number |
17791623
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
吉野 明子 鳥取大学, 医学部, 講師 (20295851)
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Keywords | ヘルスプロモーション / 外来化学療法 / がん患者 / 外来看護 |
Research Abstract |
【対象者】外来化学療法を受けるがん患者5名[平均年齢58歳(48〜69歳)、外来化学療法継続平均年数1.7年(5カ月〜2年9カ月)、男性4名・女性1名、胃癌2名・膵臓癌2名・大腸癌1名]【データ収集・分析方法】平成18年2月〜3月の間に半構成的面接を1回/名(平均約40分/回)実施。対象者の承諾を得てテープレコーダーに録音した面接内容から逐語録を作成し、それらを質的帰納的に分析。【結果】外来化学療法を受けるがん患者は、目標とする健康状態として<当たり前の生活を送ること>を目指していた。対象者は全員有職であったことから、彼らにとっての当たり前の生活とは、治療を優先させながらも職場で働き、社会的役割を果たせることであった。また、そのような目標と共に、"あと数年生きたい"、"これ以上がんが大きくならないで欲しい"という希望を抱いていた。ヘルスプロモーションとして、<化学療法後の体調の変化のパターンを把握し早めに対処する>、<副作用に対処する>、<自分の症状を判断する>、<自分の症状と上手く付き合う>、<検査結果からがんの状態を判断する>、<自分や家族で対応できないことはすぐに医療者に相談する>、<医師を信頼する>、<看護師を信頼する>、<がんに効くと言われていることには何でも挑戦する>、<治療法についての情報収集をする>、<他者の力を借りる>、<家族を一番の心の支えとする>の12が抽出された。本研究の対象者は、外来化学療法継続平均年数が1.7年であったことからか、全対象者にとって<化学療法後の体調の変化のパターンを把握し早めに対処する>は、よく用いられ、上手く為されている取り組みであった。治療継続期間が長期となってくると、治療後の体調のパターンの把握が可能となる。このことから、外来化学療法が開始され副作用が出現してくる時期からある程度副作用の出現パターンができてくるまでの期間は、患者にとり症状の判断が困難で不安の大きい時期で、それらに対する看護援助が特に重要となると言える。また、対象者は治療を繰り返す中で医師や看護師と信頼関係を築いていたことから、関係性が浅い治療開始時期は、特に医師・看護師とのコミュニケーションや確実な技術の提供が重要となると言える。
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