2005 Fiscal Year Annual Research Report
パラダイム転換期の糖尿病看護:口腔衛生行動と食行動との関連性の検討
Project/Area Number |
17791624
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
桑村 由美 徳島大学, 医学部, 助手 (90284322)
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Keywords | 糖尿病 / 看護 / 口腔衛生行動 / 食行動 |
Research Abstract |
糖尿病患者が血糖コントロールのために行う療養行動の1つとして、食行動をとりあげた。食と口腔の密着した関係に着目し、食行動の変容のための看護介入法の1つとして、口腔衛生行動を取り入れることの可能性を考えた。まず、本研究では、口腔衛生行動と食行動の関連性の検討を行うことを目的とした。本年度は、統合的な文献検討を行うことを目標とし、医学中央雑誌、Pub Medを中心に、糖尿病、看護、食行動、口腔衛生行動に関連する文献を収集した。その結果、食行動では、1回食事量の過多や間食などによるエネルギー摂取過剰、過食が問題となり取り組まれていた。口腔衛生行動は、よく噛んで食べる等の健康指向の因子やデンタル・セルフ・エフィカシー、口腔の状態との関連が報告されていたが、糖尿病での口腔衛生行動と食行動との関連性を検討した国内の文献は少なかった。しかし、実際に、食事をよく噛まず早食いであることや食べ過ぎてしまうことへの対応の難しさ、噛みにくさを話す患者は多かった。一方、行動の背景には、それを支配する個人の物の見方や考え方がある。そこで、糖尿病看護におけるパラダイム、すなわち、糖尿病患者が現在抱いている物の見方、思考の枠組みについても文献検討を行った。糖尿病患者の抱く健康観・価値観に関する研究の動向を検討した結果、既成の健康観・価値観の指標を用いた調査では、患者が状況を前向きに柔軟に認識し、療養行動を実践することで血糖コントロールが良好になる傾向にあった。(第32回日本看護研究学会学術集会一般演題として応募し採択通知あり)。また、コントロールできるという満足感が喜びにつながり、療養行動を続ける意欲になると報告されていた。以上より、患者が状況を前向きに認識でき、療養行動としての食行動を実践できるときに関与する因子について、口腔衛生行動も含めて検討を行う必要性が示唆された。
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