2005 Fiscal Year Annual Research Report
演劇製作を用いた家族システム学習の効果の検証および日本型学習モデルの構築
Project/Area Number |
17791627
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
小林 奈美 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (90311406)
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Keywords | 看護学 / 家族看護学 / 家族システム / 学習モデル / 演劇 |
Research Abstract |
1.学習過程分析のための資料収集および予備研究 本年度は学習内容をできるだけ標準化するために教材を作成した。それを用いて行う本調査のために、試験的撮影・録画を行い、録画データの分析枠組みを検討した。その結果、撮影時のセットの不備、録画の技術等の修正点が明らかになった。また、データの分析枠組みとして、カルガリー家族アセスメントモデル/介入モデルが応用可能であること、ディスコース分析やエスノメソドロジーも有用である可能性が把握できた。予備的分析の結果、演劇を用いた家族看護の学習過程には、学生個人の家族体験の振り返り、家族文化の投影及び病と家族関係の相互作用の理解が含まれることが示唆された。 また、学生にとって、表出的機能として表現された演技から、家族関係の根底にある膠着した関係を推測するのは困難な作業であり、演劇の体験だけでは学習することが難しく、家族に関する広範な知識に裏付けられた専門的な助言が必要であることが示唆された。 2.短期・長期効果を検証するための調査項目の検討 海外の先行文献を整理し、調査項目を検討した。長期効果に関する論文はほとんどなく、短期効果に関する論文が多かった。家族看護の諸理論の理解とともに、家族の捉え方、家族看護の捉え方、援助姿勢の変化などを質的に探求した研究が多かった。 3.家族看護学の学習内容・方法についての調査 1,2,の結果を踏まえ、アンケート調査の項目を選定した。家族看護教育実践の有無、教育者の専門領域、使用する教材、教育手法の工夫、家族看護学教育について困難な点等について看護系の大学・短大・専門学校を対象に郵送調査を行い、分析するところである。
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