2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17791638
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
福録 恵子 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (90363994)
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Keywords | 骨粗鬆症 / 円背 / 睡眠 / ピッツバーグ睡眠調査票 / QOL / ADL |
Research Abstract |
平成17年度の結果より、骨粗鬆症患者の睡眠障害有症率は、全国大規模調査による女性の有症率より高く、疼痛の程度、活動量(適度な運動)の程度と睡眠の関係で有意差を認めなかったが、疼痛の増強および活動量の低下により睡眠に影響を及ぼす傾向がみられた。また、ADLに不自由項目を有することで睡眠に与える影響が大きいことが明確になった。この結果をふまえ、平成18年度は、睡眠に影響を及ぼす活動量の低下に焦点をあて、客観的指標となる身体能力と日常生活活動量としての歩数を測定し、胸椎角度、歩数身体能力の関連性を検討した。2006年6月〜9月に、前回の対象者のうち、研究に同意の得られた円背を有する女性患者13名に対し、パワートラックII MMTコマンダー(日本メディックス社製)による下肢筋力(膝伸展筋力、足底屈筋力)、バランス能力(FRT)、複合動作能力(TUG)、片脚立位保持時間、最大一歩幅、また日常生活活動量としてライフコーダEX(スズケン社製)にて歩数を測定した。その結果、今回対象とした円背患者はこれまでに報告されている地域在住高齢者の下肢筋力を上回り、日常生活に必要な下肢筋力を有しており、TUGも日常生活自立の範疇とみなされたが、片脚立位保持時間、最大一歩幅、歩数は低値であり、日常生活活動量が低く転倒の危険性が高いと考えられた。歩数との相関では、胸椎角度(r=-0.68)、TUG(r=-0.33)、膝伸展筋力(r=0.35)で、いずれも有意ではないものの関連性が示された。また、歩数が最低値の者は胸椎角度が大きく身体能力が他の者に比べ著しい低下を認めた。以上より、円背患者に対し、下肢筋力を保持しつつ活動量の増加につながる援助を提供することは重要であり、睡眠障害の改善に影響するであろうことが示唆された。
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Research Products
(1 results)