2006 Fiscal Year Annual Research Report
オストメイトの社会復帰に対する患者教育のシステム化に関する研究
Project/Area Number |
17791647
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
芥川 清香 広島国際大学, 看護学部, 講師 (80364181)
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Keywords | 看護学 / 教育学 / 成人教育学 / 患者教育 / オストメイト / 健康教育 / 人工肛門造設術 / WOC看護師 |
Research Abstract |
人工肛門造設術を受けた患者(オストメイトと略す)は、入院中よりも退院後の方が悩みを多く抱えている。そのため、退院後のオストメイトの社会復帰や自立支援に対しては、医療機関のみにとどまらず、他機関と協力した組織的な患者教育体制をつくることが必要である。 そこで、本研究では、福岡県オストミー協会所属のオストメイトとWOC認定看護師と協力しながら、医療機関・ストーマ装具会社・大学・患者会による組織的な教育的アプローチを明らかにすることを目的とし、健康教室を実施かつその成果について研究を行ってきた。 平成18年度は、福岡県筑豊地区在住のオストメイトに対して、健康教室を6月、7月、8月、9月、11月、12月の合計6回実施した。ここでは、ストーマケアに関する集団学習の後、WOC認定看護師から個別指導を受けるという形式をとり、オストメイトのセルフケア自立に貢献した。また、健康教室に参加したオストメイト50名からインタビュー調査を行い、これまでの患者教育のシステム化に対する評価を行ってきた。その結果、医療機関・ストーマ装具会社・大学・患者会が組織的に関わる教育体制を整備したことについては、退院後の日常生活上の悩みが改善されたという高い評価が得られた。しかし、患者教育の方法については、これまでのようにWOC認定看護師の一方向的なストーマケアに関する知識や技術を与える講義形式の学習方法よりも、ケアの主体者であるオストメイトと学習の支援者である看護師との共同関係を基盤とした参加型学習を望んでいることが明らかになった(日本看護学会看護管理;302-304,2006)。 ここでの成果をいかし、今後はオストメイトと看護師の双方による相互主体的な取り組みを展開していくために、共に教材を開発・作成する過程を通して参加型学習を実現したいと考えている。そして、本研究で開発した教材や指導マニュアルを、福岡県内の人工肛門造設術を実施している病院看護師に配布することで、看護師のオストメイトに対する患者教育のスキルアップと看護における生涯教育にも寄与していきたい。
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Research Products
(4 results)