2007 Fiscal Year Annual Research Report
妊産婦の禁煙プログラムに関する研究-母親となる過程を支援する禁煙教室の効果-
Project/Area Number |
17791649
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Research Institution | Fukuoka Prefectural University |
Principal Investigator |
安河内 静子 Fukuoka Prefectural University, 看護学部, 助手 (20382434)
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Keywords | 禁煙 / 妊産婦 / ニコチン依存 / 禁煙教室 / 禁煙プログラム |
Research Abstract |
【目的】喫煙妊婦への支援のあり方を検討することを目的とし,妊産婦の喫煙の実態調査をおこなった。 【対象】T病院産科外来を訪れた妊婦のうち喫煙歴のある妊婦120名に対し質問紙を配布した。有効回答数56名(回収率46.7%)であった。また回答者で同意の得られた妊婦5名に対し半構造的面接を実施した。調査期間は2008年4月-6月までであった。 【結果、考察】今回の妊娠中の喫煙状況は,妊娠前禁煙群9名(16.1%),妊娠判明後禁煙群24名(42.9%),喫煙継続群23名(41.1%)であった。この23名について,ニコチン依存の程度を測る指標であるファーガストロームテスト(FTND)は,0-4点(ニコチン中毒より習慣の要素が強いタイプ)は15名で,5-7点(ニコチン中毒の要素と習慣の要素の混合型タイプ)は6名であった。8点以上(ニコチン中毒の要素が強いタイプ)は2名であり,妊婦の喫煙はニコチン依存よりも習慣の要素が高いことがわかった。インタビューは妊娠中喫煙継続群から3名,妊娠判明後禁煙群から1名,妊娠前禁煙群から1名から結果を得た。妊娠中喫煙継続群3名はいずれも本数を減らすなどの努力をしており,喫煙の妊娠、出産、子どもへの影響に関する知識は知っているが自分の実感として感じていなかった。禁煙に少し関心はあるが禁煙教室に参加するまで禁煙したいとは思っていなかった。妊娠判明後禁煙群の1名は,喫煙の害を身内の体験から実感しており禁煙行動に至っていたが,禁煙に強いストレスを感じていた。このようにアンケート調査だけでは見えない結果を得ることができた。禁煙教室の開催を試みたところ参加希望者は0名であり禁煙教室の効果を得るまでには至らなかった。教室形式の禁煙支援の実施は困難であることがうかがえる結果であった。しかし,面接時の喫煙妊婦の反応から,短時間でも機会教育の場を設ける禁煙支援のあり方が必要であると思われた。今後も禁煙支援のあり方を探求していきたい。
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