2005 Fiscal Year Annual Research Report
プレホスピタルケア、災害医療対応看護師用テレコミュニケーション教育プログラム開発
Project/Area Number |
17791653
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Research Institution | Gumma Paz Gakuen College |
Principal Investigator |
大山 太 群馬パース学園短期大学, 看護学科, 助手 (30398531)
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Keywords | 災害医療 / 災害看護 / コミュニケーション / 無線通信 / 看護師 |
Research Abstract |
看護師による病院内での単信FM無線電話装置による通信実験 特定小電力無線電話機(以下トランシーバーとする)を医療現場で看護師らに実験的に使用してもらい、その効果の観察を行った。観察方法として、看護師が実験的に臨床で行った無線通信を別途設置した無線受信機にて傍受し、それを専用ソウフトウエアーでコンピューターに自動的に記録した。後にそれらを元に無線通信の分析を行った。今回の実験対象となった病院は、病院の新築工事に伴い、旧病院の集中治療室から新病院の集中治療室に重症患者を移送する必要が生じた。しかし、旧病院と新設病院間では院内PHSもまだ通信不可能な状況であり、直接的な通信が出来ない状況であった。そこで、患者移送をコントロールするためのコミュニケーション手段として、患者の移送指揮を執る看護師5人に、5台のトランシーバーをそれぞれ配布し使用してもらった。結果、患者移送はすべて問題なく安全に行われた。現場の看護師は、無線機を用いた誘導は非常に有効的であったと評価した。今回の実験は大災害が発生した際、病院が被災し通信インフラが途絶えた状況をシュミレーションできるものであった。このような状況でトランシーバーによる通信を看護師が効果的に行えば、病院内の指揮命令系統を維持し、患者の安全を確保するのに大きく役に立つ可能性があることが示唆された。その反面、問題として、(1)オペレーターの看護師は、無線通信に不慣れであったため、通話方法が必ずしも適切ではなかった。(2)特定小電力トランシーバーは微弱電波を使用するため、病院内では不感地帯が発生した。などが明らかになった。今後、これらの点を改善するためには、看護師への無線通信教育の実施や通信を中継するレピーターシステムを効果的に設置することが必要と考えられた。
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