2005 Fiscal Year Annual Research Report
網膜芽細胞腫を発症した児をもつ親のためのサポートプログラムの開発
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17791656
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Research Institution | St. Luke's College of Nursing |
Principal Investigator |
村上 好恵 聖路加看護大学, 看護学部, 講師 (70384659)
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Keywords | 網膜芽細胞腫 / 遺伝性腫瘍 / 遺伝相談外来 / サポートプログラム / 親の懸念 |
Research Abstract |
網膜芽細胞腫は、遺伝性の場合にも、遺伝性でない場合にも親はなぜ子供がそのような病気になってしまったのか苦悩し自分を責めてしまうことがある。しかしながら、生後まもなく発症するため、直ちに親は治療の選択をせまられ、自分たちの苦悩に対して適切なケアを受けていないのが現状である。そこで、本研究は、網膜芽細胞腫を発症した児をもつ親のニーズを明らかにし、そのニーズに対してサポートシステムを開発することを目的とした。本年度は、全国の遺伝相談外来および網膜芽細胞腫を発症した児をもつ親をとりまく環境について実態調査を行うことを目的として取り組んだ。1)専門外来の見学では、遺伝情報の管理方法や遺伝カウンセリング体制について個々の施設で対策が異なっていた。2)網膜芽細胞腫の親の会「すくすく」に参加し、会の活動状況を把握すると共に親が抱えている子供の治療や就学などへの懸念について実態を知りえた。3)網膜芽細胞腫を発症した児をもつ親へのインタビューを行い、地方では専門医が不在のため診断され治療を受けるまでに時間がかかったこと、診断告知時や治療選択時に相談にのってくれる医療者が欲しかったこと、専門病院での治療のための親の宿泊費用や交通費用の問題、就学にあたり学校の選択への懸念、など現在のみならず診断時から将来にわたる親としての懸念や具体的な問題があることが明らかになった。次年度は、サポートプログラム作成にむけて、さらにインタビューを行いデータを収集する予定である。
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