2006 Fiscal Year Annual Research Report
不妊治療後の多胎妊婦のための看護プログラムの開発と評価
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17791657
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Research Institution | St. Luke's College of Nursing |
Principal Investigator |
桃井 雅子 聖路加看護大学, 看護学部, 講師 (90307124)
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Keywords | 看護学 / 多胎妊娠 / 不妊治療 / 母親学級 / 評価研究 |
Research Abstract |
本年度は、前年度の「不妊治療後の多胎妊婦のための看護プログラムの開発と評価」の評価におけるプレテスト(前段階)をうけて、当事者である多胎妊婦が新生児や産後の生活・育児をイメージでき安心できる視聴覚教材の開発を行った。具体的には、教材の内容を、研究対象である妊婦と母親(東京都心近郊に居住)が生活する地域に密着したものにするために、再度、従来の内容を見直すとともに、さらに対象のニーズに沿ったものにしてゆく調査とそれにもとづく内容の追加等を行った。教材である「多胎育児のためのテキスト」および「多胎児とその家族の写真集(ご本人の許可を得て撮影)」は、一部完成しており、現在〜次年度にかけてさらに残りの作業を進める予定である。 もう一つの計画である、不妊治療後に多胎児を出産した母親に関して、退院後の育児にどのような身体的・心理的な負担を抱えているかの現状把握と、それに対して他の病院・施設ではどのような退院後のフォローを行っているかについての情報収集は、現在も進行中である。現時点で得られている当事者の反応からは、周囲に同じ状況にある母親仲間(不妊治療後の多胎妊娠を経て育児中であること)を当事者間では把握しにくいために、仲間が少ないと感じることが心理的な不安要因の一つになっていることが示唆された。これらの結果を受けて、次年度は看護プログラムの一つである「個別相談窓口」の開設に加え「仲間づくりの場」の提供を計画している。また、これらの相談窓口や仲間づくりの場の具体的な展開方法としては、例えば、"自分が妊娠中から通っている医療施設内にあった方が良い"といった当事者の具体的なニーズが聴取されており、これらを反映させながら今後の実現化に向けて検討してゆきたいと考えている。
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