Research Abstract |
精神障害者の生活機能を把握する尺度である「精神障害者生活機能評価尺度」を作成した。この尺度は42項目あり,活動18項目,参加24項目から構成される。各項目が0-3点の範囲であり,活動面の合計点は0-54点,参加面の合計点は0-72点,生活機能の合計点は0-126点である。この尺度の信頼性と妥当性を検討し,信頼性と妥当性が確保された。 そこで,この尺度を使用し,デイケア通所者207名を対象に生活機能の実態を把握した。また,プログラム参加状況と生活機能の関係を明らかにした。調査時期は,第1回目の調査が平成18年9月〜11月,第2回目の調査が第1回目の調査後3ヶ月の平成18年12月〜平成19年3月である。調査に協力が得られた155名(男性98名,女性57名)を分析対象にした。 通所者の属性は,平均年齢が48.1±13.2,平均発病年齢29.1±10.5歳,平均通所期間は61.9±47.5ヶ月であった。病名は統合失調症が134名(86.4%),うつ病6名(3.9%),躁うつ病8名(5.2%),その他7名(4.5%)であった。 通所者の生活機能については,第1回目の精神障害者生活機能は,活動得点が44.6±0.7点,参加得点が46.1±1.3点,生活機能得点(活動と参加の合計点)が90.8±1.8点であった。第2回目の精神障害者生活機能は,活動得点が44.2±0.7点,参加得点が47.5±1.3点,生活機能得点(活動と参加の合計点)が91.4±1.8点であった。第2回目の参加得点は1回目の参加得点よりも高かった(p<0.05)。 3ヶ月間の通所およびプログラム状況については,3ヶ月間の平均通所日数は28.2±20.5日であり,最多通所日数は70日,最小通所日数は0日であった。3ヶ月間のプログラム参加状況については,「体力をつけるプログラム」4.3±4.5日,「趣味や遊びを豊かにするプログラム」12.4±9.4日,「対人関係を向上するプログラム」13.0±11.2日であった。今後は,プログラム参加状況毎の分析などを詳細に行っていく。
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