2006 Fiscal Year Annual Research Report
がんを併発した精神疾患患者のケアを困難にさせている複合要因の解明
| Project/Area Number |
17791670
|
|---|
| Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
|---|
Principal Investigator |
美濃 由紀子 国立精神・神経センター, 精神保健研究所司法精神医学研究部, 研究員 (50318002)
|
|---|
| Keywords | 看護学 / がん / 精神科 / 身体合併症 / 医療・福祉 / 身体ケア技術 / 精神疾患患者 / 統合失調症 |
|---|
| Research Abstract |
本研究の目的は、がんを併発した精神疾患患者のケアを困難にさせている複合要因を、がんの発見・がんの告知・がんの治療・がんの再発の発見を含む治療後の療養期・がんの末期という5つの病期にわけて、詳細に分析し、解明することにより、適切な治療と看護を実現するためには何が必要かを明らかにする。また、各病期に沿った時間的な経過と、阻害・促進要因との絡みを示した臨床看護実践的なガイドラインを作成することにある。特に、フィードバック理論による流れ図を臨床現場において活用することで、実態に沿った状況の把握と今後起こりうる阻害要因に対する予測を可能にし、困難な臨床状況から望ましい状況に導くための効率的なガイドラインを導き、検証することとしている。今年度は、がんを併発した精神疾患患者のケアを困難にさせている複合要因が、精神疾患患者の身体合併症ケアの中で、どのような位置を占めているのかを明確にするための(1)調査研究と(2)文献検討を行った。(1)調査研究としては、身体合併症ケアについて得に困難を感じたケースについてグループで検討しあうインタビュー調査を行った。その結果、精神疾患患者の身体疾患の早期発見の困難さや身体拘束を要する患者の身体ケアや処置、インフォームドコンセントに困難を感じていることなどが明らかになった。なお、インタビューの成果は、専門誌に発表した。また、これまでの研究活動を通じて得た精神疾患患者の身体合併症ケアを困難にさせる要因や課題、身体ケア・処置の方法等に関する内容は、専門雑誌の特集、総説として3号にわたり発表した。(2)文献検討としては、主に日本の精神科における身体合併症ケア全般とがんを併発した精神疾患患者のケアについての研究に関して調査を行った。その結果、本研究に最も近い関連研究としては、「悪性腫瘍を合併した統合失調症患者の看護援助に関する研究:遠藤他」があり、がんを併発した精神疾患患者のケアを困難にさせている複合要因の参考文献となり得ることが示唆された。
|
Research Products
(6 results)
