2007 Fiscal Year Annual Research Report
がんを併発した精神疾患患者のケアを困難にさせている複合要因の解明
Project/Area Number |
17791670
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
美濃 由紀子 National Center of Neurology and Psychiatry, 精神保健研究所 司法精神医学研究部, 研究員 (50318002)
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Keywords | 看護学 / がん / 精神科 / 身体合併症 / 医療・福祉 / 身体ケア技術 / 精神疾患患者 / 統合失調症 |
Research Abstract |
本研究の目的は、がんを併発した精神疾患患者のケアを困難にさせている複合要因を、5つの病期にわけて、詳細に分析することにより、適切な治療と看護を実現するためには何が必要かを明らかにする。特に、フィードバック理論による流れ図を臨床現場において活用することで、実態に沿った状況の把握と今後起こりうる阻害要因に対する予測を可能にし、困難な臨床状況から望ましい状況に導くための効率的なガイドラインを導き、検証することとしている。19年度〜20年度は、「精神疾患患者の身体合併症ケア」の中の困難事例について、調査を行った。(1)個人面接、(2)集団面接、(3)フィールドワーク、(4)事例検討会を行い、一般の精神科病院と医療観察法指定医療機関とで比較検討した。その結果、「身体合併症治療やケア」には、改善すべき課題が多く含まれており、「がんを併発した精神疾患患者のケア」には、改善すべき課題が多く含まれており、「がんを併発した精神疾患患者のケア」を含む、身体合併症のための施設を急速に整備する必要があることが示唆された。なお、本研究の成果は、学会・専門紙等に発表した。また、これまでの研究結果をもとに精神科における身体ケア技術に焦点を絞った書籍『これだけは知っておきたい「精神科の身体ケア技術」』を編集・出版し、精神科看護師の身体ケアの質の向上に努めた。啓蒙活動としては、日本精神科看護学会第15回専門学会II分科会『精神科身体合併症看護』の分科会(2008. 11. 21)において、「精神科身体合併症看護における専門性とは-インフォームド・コンセントが困難ながん患者の事例-」に関して講演を行った後、約100人の参加者を対象にシンポジウムによる討議を行った。
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Research Products
(22 results)