2005 Fiscal Year Annual Research Report
在宅医療におけるリスクアセスメントとインフェクションコントロール
Project/Area Number |
17791682
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
五十嵐 久人 宮崎大学, 医学部, 助手 (90381079)
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Keywords | 在宅医療 / インフェクションコントロール / 介護者 / 訪問看護師 / 手洗い / リスクアセスメント |
Research Abstract |
本年度は在宅医療におけるインフェクションコントロールの実態を把握するため、訪問看護ステーションの協力を得て、様々な在宅療養者宅を訪問し、在宅療養環境下における現状と、それらを実行している訪問看護師、介護者、療養者から実際の実施状況を見ることができた。在宅療養は医療機関で実施されているインフェクションコントロールと基本的に違いはない。しかし、在宅医療の場面では、それを実行する者が専門的な知識を持たない介護者であるなど問題が多い。介護者からの聞き取りでは、在宅で行える対策について教育や指導を受けている者は少なく、それらを実施できている者も低い傾向にあった。また、介護者の感染に対する意識も大きく異なり、十分に衛生状態に配慮する者や、全く意識していない者など様々であり、介護者への教育が必要であることが示された。 スタンダードプリコーションの基本である手洗いについて、訪問看護師はその家庭の水道を借りて行うが、水道を借りることのできない家庭や一連のケアの中で手指の衛生状態を維持することが困難なケースなど様々な課題を抱えていた。そのため、手指速乾性のアルコール消毒剤やディスポーザブルのグローブの使用など工夫をして取り組んでいるものの、対策が一定しておらず、訪問看護師各自の判断に委ねられていた。このようなことから、手指の衛生状態を確認するため培地を用いた調査を実施しており、これらを基に今後も在宅で簡便で効果的な手指衛生を保つ方法の検討を継続していく。 来年度は、本年度得られた在宅療養環境の現状と問題点をもとに、調査を継続し、在宅医療におけるリスクアセスメントを行い、その結果を学会などで報告していく。
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