2005 Fiscal Year Annual Research Report
地域に暮らす精神障害者の服薬への意識を高める要因の探索と訪問看護師の介入
Project/Area Number |
17791684
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Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
安保 寛明 岩手県立大学, 看護学部, 助手 (00347189)
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Keywords | 精神障害 / 服薬 / アドヒアランス / 訪問看護 / アウトリーチ / 総合失調症 |
Research Abstract |
研究1:服薬意識を評価するための質問紙(Moriskyの服薬意識調査)の日本語版を作成するため、以下の調査を行った。 ・Moriskyの服薬意識質問紙の日本語版を作成した岩手県立大学兼松百合子教授の研究グループに研究の主旨を説明し、Moriskyの服薬意識質問紙を使用する許可を得た。 ・地域に暮らす精神障害者90名(岩手県内の通所授産施設2施設とデイケア3施設に通所している者へ調査協力を依頼し、同意を得た者)に対してMoriskyの服薬意識質問紙と服薬中断の関連について質問した。その他の質問項目として、薬の仕分けを自分で行うかなど服薬継続に関する工夫を聞いた。 ・その結果、Moriskyの服薬意識質問紙によって服薬意識が高いとされた患者と服薬中断の有無の間には有意な差があった。また、服薬中断の有無には薬の仕分けを自分で行うかどうかが有意に関連していた。 その後、追加インタビュー調査を行った結果、精神障害者自身が服薬継続に対して行っている工夫には「財布に入れておく」「洗面所など目に見える場所に置く」など忘れないための工夫と「朝薬を飲んだときに昼の分の薬もポケットに入れておく(すると、昼の薬がポケットにあるかないかで朝の薬を飲んだかどうかがわかる)」などの、飲み忘れたときに気づかせる工夫があった。 研究2:アメリカ合衆国とイギリス国に赴き、それぞれの国で精神障害者への服薬継続指導について研修を行った。特にアメリカ合衆国では精神科ナースプラクティショナー2名と会い、精神障害者の服薬継続のためには服薬アドヒアランスを目に見える形でフィードバックすること(ビジュアルフィードバック)が重要であるとの示唆を得た。ビジュアルフィードバックの具体的な方法として、薬を入れておく箱にマイクロチップを埋め込んでおき、箱が空になった時刻を自動的に記録しておいて外来を受診するときにデータを読み込んで服薬時刻を推定するというものであった。
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