Research Abstract |
【目的】本研究は、関節リウマチ患者(以下RAと略す)の社会活動に関する支援方法について検討するために,RA患者の社会活動について,面接調査にて共通する因子を抽出しその特徴を明らかにする。 【研究方法】対象者は,A病院,B病院に通院もしくは入院している調査に同意の得られた60歳以上のRA患者11名。方法は,「社会活動について感じること」を30分から1時間程度の半構成的面接調査,面接の過程は内容をテープに録音し逐語録を作成。分析は,逐語録を数回読み全体像を把握した後,社会活動について語っていると判断される文を抜き出し,類似する内容をまとめ,カテゴリ化した。 【結果・考察】対象者の性別は,女性11名。年齢は62歳から81歳。RA患者の社会活動の特徴は,次の4つのカテゴリに分けられた。1.社会活動の特性,2.社会活動の喪失,3.社会活動を促進する要素,4.社会活動を制限する要素。これらのカテゴリの内容は,1.社会活動の特性では,自治会・町内会行事への参加,近隣住民との交流,可能な範囲での家事遂行,自宅・庭で行える趣味・啓蒙活動などで,狭い範囲での活動や,他者との交流が示された。2.社会活動の喪失では,屋外での活動,他者との交流,手を使う趣味活動などで,症状の進行により社会活動が喪失されることが示された。3.社会活動を促進する要素では,自己の対処方法,活動による気持ちの変化などで,社会活動から得られる症状の緩和や,自ら対処していく力で活動が促進されることが示された。4.社会活動を制限する要素では,正座ができない,移動手段の確保,症状の増悪などで,交通環境の整備や,サポート体制の必要性が示唆された。 【まとめ】今後の検討課題は,RA患者の社会活動の実態と影響要因を明らかにすること,介護者についても検討し来年度の研究課題につなげる予定である。
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