2005 Fiscal Year Annual Research Report
在宅高齢者の介護予防のための生活機能評価尺度の開発
Project/Area Number |
17791689
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Research Institution | Fukui Prefectural University |
Principal Investigator |
金谷 志子 福井県立大学, 看護福祉学部, 助手 (00336611)
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Keywords | 生活機能 / 介護予防 / 在宅高齢者 / アセスメント |
Research Abstract |
本年度は、在宅虚弱高齢者のどのような視点で自らの生活機能をアセスメントしているのかを把握することを目的に調査を実施した。介護保険制度での要介護認定者の状況調査より要支援及び要介護1には後期高齢者が多く、骨関節疾患を有している者が多い。また、高齢者の有訴者率では関節痛が高く、関節痛の中でも膝関節痛の頻度が高い。そこで今回、虚弱高齢者の中でも膝関節痛のある後期高齢女性に対象を限定し調査した。 今回、A県内の75歳以上の膝関節痛をもちながら生活する14名の女性を対象に、在宅虚弱高齢者の日常生活活動と機能低下による生じる困難とそれに対する対処行動の実態調査を面接調査で行った。面接調査の結果、「体の状態を確かめる」ことをしていた。「体の状態を確かめる」は、「医療者の判断で確かめる」「痛みの感覚で確かめる」「動作の感覚で確かめる」「自分の体型で確かめる」「人と比べて確かめる」の5つの方法で自分の状態を評価・判断していた。 高齢者は今の生活を維持するために、生活活動の見直し、変更していた。その方法は「活動レベル(難易度・範囲)」「対処行動の積極性」の2軸に沿って示すことができた。活動レベルをより高めるため日常生活や対処行動を積極的にする「なるべく動く」、活動レベルを高く維持するために、日常生活や対処行動を積極的にしている「何とかして動く」、活動レベルが低下しはじめているが日常生活を維持し、対処行動を積極的する「頑張って動く」、日常生活の活動レベルが低下し、対処行動も消極的な「だんだん動かなくなる」、日常生活の活動レベルが低くなり、対処行動も行われない「あきらめる」の5つの要素で構成されていた。 今後、従来の医療職による身体機能面での評価(主に関節の疼痛や可動域、拘縮など)だけでなく、高齢者の視点からのも取り入れた尺度(案)を作成し、検討している段階である。
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