2006 Fiscal Year Annual Research Report
ホームレスの結核に関する知識・態度・行動とエンパワメントを基盤とした健康支援
Project/Area Number |
17791694
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Research Institution | Sonoda Women's University |
Principal Investigator |
佐々木 八千代 園田学園女子大学, 人間健康学部, 助手 (10382243)
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Keywords | ホームレス / 結核 / 健康支援 |
Research Abstract |
本年度の研究活動は,前年度に実施した面接調査(入院中のホームレス患者に対する生活実態と結核に関する知識,態度,行動)で得られたデータを分析した.対象者は全員男性で、平均年齢は56.09歳(±6.95)であった。教育歴は小学校までが4名(4.3%)、中学校までが55名(58.5%)、高校以上が34名(36.2%)であった。入院前に寝ていた場所は、簡易宿泊所33.0%、野宿30.9%、シェルター22.3%となっていた。本人の自己申告による既往歴は15名(16.0%)がありと答えていた。また、過去1年間に結核検診を受診しているものは39名(41.5%)であった。結核の症状に関する質問では、咳が59.1%、痰が20.2%、分からないが25.5%となっていた。過去1年間の結核検診受診に関連する要因について検討したが,年齢,教育歴,結核の既往の有無,結核に関する知識,結核を予防したいという態度には関連が認められず,結核検診を受診するという行動については,結核に関する知識や予防したいという態度ではなく,その他の要因が関連していることが示唆された. また,平成18年8月〜平成18年10月に結核治療目的で入院しているホームレス者に対して,結核や結核治療に対する認識や態度を把握することを目的として半構成的面接調査を実施した.面接の内容は,基本的属性,入院前の生活状況,結核に関する知識,態度,行動,結核と診断されてから入院までの経過,入院生活についてである.対象は,結核病院の主治医,看護師長および保健所の担当保健師により面接が可能であると判断されたホームレス患者8人であった.性別は全員男性で,年齢は51〜61歳であった.結核の既往があるものは3人であった.現在,得られたデータを逐語録にまとめ,質的に分析を進めている.
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