2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17791697
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Research Institution | Fukuoka Prefectural University |
Principal Investigator |
渕野 由夏 福岡県立大学, 看護学部, 講師 (20316144)
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Keywords | 訪問看護師 / ストレス / 睡眠障害 / NIOSH職業性ストレス調査票 |
Research Abstract |
今年度は、訪問看護師の職業性ストレスおよび睡眠障害の実態ならびにその関連性を明らかにすることを目的とした横断研究を行った。 研究協力施設選定のために福岡県内の全訪問看護ステーション242ヶ所の管理者宛に研究の主旨等を記載した研究依頼の文書を送付した。その結果、95ヶ所の訪問看護ステーションから研究協力の承諾が得られた。そして、研究協力の承諾が得られた訪問看護ステーションに勤務する訪問看護師570名を対象として、郵送法による質問紙調査(NIOSH職業性ストレス調査票と独自に作成した睡眠調査票からなる調査票)を行い、333名から回答が得られた(回収率58.4%)。 はじめに、訪問看護師の職業性ストレスの実態を明らかにするために、NIOSH職業性ストレスの各尺度得点の平均点を算出した。その結果、役割曖昧さ16.2、役割葛藤24.1、仕事のコントロール44.4、量的労働負荷35.6、労働負荷の変動、8.3、技能の低活用7.7、認知的要求16.5、社会的支援(上司)12.8、社会的支援(同僚)13.5、社会的支援(家族・友人)13.0、職務満足感8.9、抑うつ13.3であった。また、睡眠障害の実態については、睡眠状況は、「就寝中に途中で目が覚めること」「熟睡できないこと」「寝床に入ってから30分以内に眠ることができないこと」が週1回以上あると回答した者の割合がそれぞれ42.7%、23.7%、19.9%であり、他の項目より高くなっていた。また、睡眠感では、「1日の睡眠時間が足りない」「睡眠時間が実際の睡眠時間よりも短く感じる」「自分の睡眠に満足している」について5割以上の者がネガティブな回答をしていた。 次に、職業性ストレスと睡眠障害の関連性を、NIOSH職業性ストレスの各尺度得点と睡眠状況に関する項目の合計点(以下、睡眠状況得点)と睡眠感に関する項目の合計点(以下、睡眠感得点)との相関により検討した。その結果、抑うつと睡眠状況得点、睡眠感得点との相関係数がそれぞれ0.457、0.435であり中程度の相関がみられた。また、役割葛藤では、睡眠状況得点、睡眠感得点との相関係数がそれぞれ0.310、0.314、役割曖昧さでは、睡眠状況得点、睡眠感得点との相関係数がそれぞれ0.252、0.236、職務満足感では睡眠感との相関係数が-0.306であり、弱い相関がみられた。これらのことから、職業性ストレスと睡眠障害には関連があることが示唆された。
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