2005 Fiscal Year Annual Research Report
生活習慣病予防の観点からみた健康学習としての保健推進員活動の効果
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17791702
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
清水 由美子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (30328330)
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Keywords | 保健推進員 / 健康学習 / 健康づくり / グループインタビュー |
Research Abstract |
本研究の目的は、健康学習を重視した保健推進員(以下、推進員)活動を展開している東京都H町において、推進員活動の効果を検証することである。本年度は、推進員の側からみた健康学習の効果評価を実施するために、現役推進員および推進員経験者(以下、推進員OB)へのフォーカスグループインタビュー(以下、FGI)を各4グループずつ実施した。 調査協力が得られたのは、現役推進員25人(1グループ5〜8人)と推進員OB21人(同3〜8人)で、いずれも40〜70代の女性であった。グループ別に1時間半〜2時間のFGIを実施し、対象者の了解を得てテープレコーダーとビデオによる記録を行った。主なインタビュー内容は、健康学習は推進員自身の健康や生活および地域で推進員活動を展開する上でどのように役立ったか、また、活動を行うにあたっての困難や助けとなったことはどのようなことか、であった。 分析方法は、語られた言葉を逐語に起こした質的データに録画映像からの非言語的表現や参加観察による情報を加味し、意味内容が損なわれないよう断片化し、内容を分析した(H17年度末現在、詳細な分析を継続中)。 健康学習の効果として、現役推進員および推進員OBともに推進員自身の食生活や運動習慣に変化があり、健康や予防に対する考え方に影響を受けていた。また、推進員の経験は保健センターを身近な相談機関として認識でき、地域住民との交流を深めることのできる機会となるものであった。地域での活動の推進にあたり回覧や声かけ等様々な努力や協力してくれる仲間の存在が語られるとともに、自治会長や地域住民の協力体制による推進員活動の難しさや役員の重圧が語られ、地域での活動が広がらないことに悩んでいる現状が浮かび上がった。しかし、推進員OBによる協力のある地区ではこのような負担感が少ないこと、現役推進員には推進員の役割が任期終了間際にやっとわかったとの認識があることから、推進員同士の縦横のつながりを支援する必要が示唆された。
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