2005 Fiscal Year Annual Research Report
痴呆対応型グループホーム入所者の生活の質の確保を目的とした自己評価尺度の作成
Project/Area Number |
17791703
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Research Institution | Gunma Paz University |
Principal Investigator |
小林 和成 群馬パース大学, 保健科学部・看護学科, 助手 (70341815)
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Keywords | 認知症高齢者グループホーム / ケアサービス / 質評価 |
Research Abstract |
目的:認知症高齢者グループホームにおける入所者の生活の質の確保を目的とした評価票の作成。 対象:群馬県内の認知症高齢者グループホームで実際に入居者の介護を行っている介護従事者1,212名。 方法:自記式無記名調査用紙を用いた郵送調査。評価項目50項目の達成度を4段階に点数化したスケール(1:できていない、2:どちらかと言うとできていない、3:どちらかと言うとできている、4:できている)を用いた調査用紙を送付し、項目の信頼性・妥当性を検討した。 結果:631名から回答を得た(回収率52.1%)。回答者の年齢は41.7±12.9歳であった。職種はホームヘルパー310名(49.1%)、介護福祉士148名(23.5%)、看護師39名(6.2%)、社会福祉士2名(0.3%)、その他77名(12.2%)であった。介護歴は4.6±4.5年であった。 因子分析の結果、8因子が抽出された(累積寄与率59.6%)。第I因子「刺激のある生活づくり」(6項目)、第II因子「人間としての尊厳の保障」(6項目)、第III因子「意思決定の支援」(3項目)、第IV因子「安全・安楽の保障」(4項目)、第V因子「社会性の維持・向上」(5項目)、第VI因子「健康管理」(2項目)、第VII因子「生活能力の維持・向上」(2項目)、第VIII因子「基本的生活の維持・向上」(2項目)と名付けた。各因子のChronbachのα係数は、0.959〜0.961の範囲となり信頼性は確認された。また、介護歴との相関がみられたこと、因子構造が仮説の概念枠組みとほぼ一致していたことから、妥当性も確認することができた。 考察:各尺度間の相関は、高すぎる相関でなく中程度からやや高い相関であった。このことから、各因子は独自のものを測定しており、認知症高齢者グループホームにおける入所者の生活の質は、一つの因子だけで測定できるものでなく、多因子構造になっていることが示唆された。今後の課題として、認知症高齢者グループホームにおいて今回作成した評価票を用いて、評価票の信頼性・妥当性の検証をさらに進めることが重要と考える。
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