2017 Fiscal Year Annual Research Report
Binary evolution study for gravitational wave sources, supernovae and high energy objects
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17F17022
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
前田 啓一 京都大学, 理学研究科, 准教授 (00503880)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ABOLIMITI YIMINGAJI 京都大学, 理学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2017-10-13 – 2020-03-31
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Keywords | 恒星物理 / 連星進化 / 重力波天体 / 超新星 |
Outline of Annual Research Achievements |
モンテカルロ法により大量の「連星系」を生成しその進化を追うというBinary population synthesis (BPS)を様々な系に適用した。連星進化・物理過程の取り扱いについては、系の性質によらない統一的な枠組み・定式化を用いる。様々な系を包括的に取り扱うこで、各物理過程の定式化を確立するとともに、連星系形成過程の統一的理解を目指すこのが目的である。この際、これまでBPSの枠組みで考慮されていない素過程である磁場・回転の効果を組み込んだモデルを構築する。これを以下のような連星系形成に応用し、その形成・進化過程を明らかにする。(1)重力波の起源天体であるブラックホール・中性子星を含む連星系、(2)白色矮星を含む連星系形成と進化、Ia型超新星の起源、(3)大質量連星進化と重力崩壊型超新星の多様性の起源の解明。 これまで行ってきた、Ia型超新星親星のBinary population synthesis (BPS)モデルを応用し、重力波起源天体であるブラックホール・中性子星を含む連星系のBPSモデルを構築した。この成果は、現在投稿中である。また、連星系における恒星・コンパクト天体 の自転および磁場の進化の効果のモデル化のための定式化を開始した。特に、Ia型超新星に至る白色矮星の降着過程において、磁場の効果を初めて取り入れた。この成果に基づいた論文を現在執筆中である。観測的には、SDSSおよびLAMOSTのデータを用い、RR Lyraeと呼ばれる星の種族に関してその空間密度分布を明らかにした。これは、BPSにより様々な種族の星の形成・進化を考えるうえでの基礎データともなる。 以上の課題の推進のため、計算のためのPCを購入し、打ち合わせのため南京大学に短期滞在するための旅費を使用した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に記述したように、重力波天体に関わるBinary population synthesis (BPS)の計算結果は投稿中であり、またIa型超新星親星進化における磁場の効果を取り入れた研究も順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、以下の課題を遂行する。(1)重力波の起源天体であるブラックホール・中性子星を含む連星系、(2)白色矮星を含む連星系形成と進化、Ia型超新星の起源、(3)大質量連星進化と重力崩壊型超新星の多様性の起源の解明。 (1)に関しては、現在投稿中の論文の改訂を進める。(2)に関しては、論文執筆を進め、今年度中に投稿する。以上を終了し、(3)の課題を開始する。
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Research Products
(2 results)