2017 Fiscal Year Annual Research Report
層状混合酸化物を用いた陰イオンで溶存する放射性核種の効率的除去法の開発
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17F17084
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 嘉夫 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (10304396)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LEE SANG-HO 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2017-04-26 – 2019-03-31
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Keywords | 放射性核種 / 陰イオン |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度においてLee氏は、Mg/Al層状水酸化物(LDH)による有害な陰イオンの除去に関する研究を展開した。LDHは、Mg2+の層状水酸化物にAl3+を添加することで正電荷を持たせ、陰イオンに対する高い反応性を付与した担体である。Lee氏は、この混合酸化物の合成から本研究に着手し、特にLDHを様々な手法と複合的に組み合わせることで、効率的な有害元素除去法を開発した。特に今年度は、以下の研究を進めた。
1 陰イオンの除去材としてのLDHを5価のヒ素(ヒ酸)・アンチモンの除去に適用した結果、これらの除去にLDHが有効であることを見出すと共に、その加熱で再生が可能なことも明らかにした。特に初年度は、この研究において重要なLDHへのヒ素およびアンチモンの吸着構造をEXAFS法から調べることに成功した。
2 特に彼が開発したLDHを用いた除去法は、様々な陰イオンの除去に有効であり、特に今回新たに開発しているビスマス(Bi)を含むLDH (Bi-LDH)を用いた予備的実験から、LDHはヨウ素 (I)、セレン (Se)、レニウム (Re; テクネチウム(Tc)のアナログ) へも適用可能であることが分かってきた。一般に陰イオンは水中から除去されにくいが、これらの元素は固相吸着や溶媒抽出などによる除去が特に困難な元素である。そこで初年度は、ヨウ化物イオンに対する応用を進めた。添加物を含まないLDHのままではヨウ素の除去が認められなかったが、Bi-LDHではヨウ素の除去率や除去容量が増加することが分かった。これらの原因として、Biの添加により空隙率が増加する結果、表面積の増加や除去容量の増加が生じたと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在、(1)の研究については論文を投稿中であり、(2)についても論文を執筆中であり、順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
LDHの研究がある程度進展したら、BaSO4を用いた放射性核種や有害元素の除去に関する研究を展開する予定である。
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Research Products
(4 results)