2017 Fiscal Year Annual Research Report
Anti-aging function of NRF2 via sulfur metabolism.
Project/Area Number |
17F17116
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
本橋 ほづみ 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (00282351)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ALAM MD. MORSHEDUL 東北大学, 加齢医学研究所, 外国人特別研究員
|
Project Period (FY) |
2017-07-26 – 2019-03-31
|
Keywords | イオウ代謝 / ミトコンドリア / NRF2 |
Outline of Annual Research Achievements |
酸化ストレス応答の鍵因子であるNRF2は、シスチントランスポーターxCTをコードするSLC7A11遺伝子を活性化して細胞へのイオウ供給を促進する。申請者らは最近、細胞内のチオール基(-SH)の多くが、複数のイオウ原子を抱え込んだ状態であるポリスルフィド基(-S-(S)n-H)として存在すること、タンパク質機能がポリスルフィド化を介して制御されうること、さらに、ポリスルフィド化の障害がミトコンドリア機能を低下させることを見いだした。そこで、本研究では、NRF2によるイオウ代謝促進作用が細胞内ポリスルフィドレベルに及ぼす影響を検討し、健全なミトコンドリア機能の維持におけるNRF2の貢献を明らかにする。そして、NRF2の活性化によるイオウ代謝の促進とミトコンドリア機能の改善が有効な抗老化作用をもたらすかを、アルツハイマー病モデルマウスを用いて検討する。 本年度は、NRF2によるSLC7A11遺伝子の発現制御がイオウ代謝の下流で制御されることを見いだした。具体的にはミトコンドリア酵素であるSQR遺伝子欠損状態においてSLC7A11が活性化すること、これがおそらくはSQRがもたらす活性イオウ種の増加に伴うERストレスの結果ATF4が活性化したものと予想される。また、NRF2が活性化しているがん細胞において、イオウの酸化が亢進していることを見いだした。これは、ミトコンドリアにおけるイオウ代謝の一部がNRF2により促進されており、エネルギー産生の効率化に貢献し、がん細胞の薬剤耐性を支えているものと予想している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初はNRF2の活性化によりシスチントランスポーター(SLC7A11)が活性化することで、細胞内へのシスチンの取り込み増加、細胞内のシステイン量の増加によって、ミトコンドリアでのイオウ代謝促進とエネルギー産生効率の改善がみられるものと予想した。そこで、SLC7A11の遺伝子発現制御機構に重点をおいて研究を進める予定であった。しかし、NRF2の活性化したがん細胞とNRF2の活性化がみとめられないがん細胞での代謝物を調べているうちに、NRF2のイオウ代謝における作用点がミトコンドリア内に存在することを示唆する結果がえられてきた。そこで、細胞からミトコンドリアを単離して代謝物を検討したところ、やはり、ミトコンドリア自体にNRF2活性化による、イオウ代謝を変化させる何らかの影響があることがわかった。そこで、現在は、ミトコンドリア内での変化をもたらすNRF2の下流因子の同定にむけて、siRNAスクリーニングの準備を開始した。
|
Strategy for Future Research Activity |
NRF2によるミトコンドリア機能改善の鍵となる下流因子の同定を最速で進める。この因子が同定でき次第、NRF2の活性化したがん細胞や、マウス個体においてloss of function studyを行い、その意義を明らかにする。また、同時に、当該因子のNRF2による遺伝子発現制御機構についても明らかにする。さらに、アルツハイマー病モデルマウスにおけるミトコンドリア機能とイオウ代謝についても検討を進める。
|
-
-
-
-
-
[Journal Article] Low-Dose Irradiation Promotes Persistent Oxidative Stress and Decreases Self-Renewal in Hematopoietic Stem Cells2017
Author(s)
Rodrigues-Moreira S, Moreno SG, Ghinatti G, Lewandowski D, Hoffschir F, Ferri F, Gallouet A-S, Gay D, Motohashi H, Yamamoto M, Joiner MC, Gault N, Romeo P-H
-
Journal Title
Cell Rep
Volume: 20
Pages: 3199~3211
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
-
-
[Journal Article] Cysteinyl-tRNA synthetase governs cysteine polysulfidation and mitochondrial bioenergetics2017
Author(s)
Akaike T, Ida T, Wei FY, Nishida M, Kumagai Y, Alam MM, Ihara H, Sawa T, Matsunaga T, Kasamatsu S, Nishimura A, Morita M, Tomizawa K, Nishimura A, Watanabe S, Inaba K, Shima H, Tanuma N, Jung M, Fujii S, Watanabe Y, Ohmuraya M, Nagy P, Feelisch M, Fukuto JM, Motohashi H
-
Journal Title
Nat Commun
Volume: 8
Pages: 1177
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-