2017 Fiscal Year Annual Research Report
Did Proto-Kyushu-Ryukyuan exist? Comparative evidence and attempt at a reconstruction
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17F17303
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
狩俣 繁久 琉球大学, 国際沖縄研究所, 教授 (50224712)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
JAROSZ ALEKSANDRA 琉球大学, 国際沖縄研究所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2017-11-10 – 2020-03-31
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Keywords | 九州琉球祖語 / 琉球祖語 / 日琉祖語 / 宮古方言 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年度は以下のことを行った。 (1)大正年間に三度宮古島を訪問し宮古島方言資料を収集したロシア人言語学者のニコライ・ネフスキーの手書き資料でページの陰になって判読の困難だった写真版の個所をマイクロフィルムが納められている早稲田大学附属図書館でマイクロフィルムの原本に直接あたって確認した。これによって判読できなかった方言資料の解読が可能になり、不明な単語の数をを減らして英語版辞書刊行に向けて大きく前進することとなった。 宮古島と多良間島での現地調査を行い、琉球祖語の解明に向けた重要語句の確認を行った。渡日前は国際音声記号で記載された文献の方言資料で研究してきたが、宮古島方言と多良間島方言の実際の音声を方言母語話者の実際の発音で確認できたことは、宮古祖語および琉球祖語の音価を推定するために、特に宮古祖語の母音*Oの音価推定のたのために必要な作業として有益であった。なお、この現地調査を通して宮古語島嗣文化協会との協力関係を構築し、今後の現地調査を円滑に実施できるようになった。 上記の調査・研究と並行して、ネフスキーの宮古方言資料の英語版辞書刊行のための作業を行った。ネフスキー資料が手書きであること、記述方式に不統一があること、一つの文の中にロシア語と日本語と宮古方言がローマ字書きで混在した文があり、どれが日本語でどれが宮古方言でどれがロシア語かなど、ロシア語や宮古方言に不案内な研究者の使用を困難にしていたが、記載方式を統一したものにするためのデータの見直しと整理を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた現地調査を実施できたこと、ネフスキー資料の判読部分を早稲田大学附属図書館のマイクロフィルムで確認できたことによって、研究資料の整備ができたので、琉球祖語の音価推定のための研究が進められる状況になった。
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Strategy for Future Research Activity |
琉球祖語の音価推定のために、宮古方言と緊密な関係にある八重山方言の現地調査を行って、八重山方言の実際の音声の確認調査を行う。
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