2017 Fiscal Year Annual Research Report
Symplectic geometry and contact topology for manifolds with boundary and its applications
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17F17318
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小野 薫 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (20204232)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BAE YEONGJIN 京都大学, 数理解析研究所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2017-11-10 – 2020-03-31
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Keywords | ルジャンドルグラフ / 接触ホモロジー / wrapped Floer ホモロジー |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) 3次元接触多様体の中のルジャンドル絡み目の Chekanov-Eliashberg 代数の研究はよく知られている。それによりルジャンドル結び目、絡み目で古典的不変量では区別できない組を区別できる場合があることなど強力な研究手段を提供している。研究分担者の Y. Bae は B.An 氏との共同研究で、ルジャンドルグラフに対する Chekanov-Eliashberg 代数の構成に成功した。通常の Chekanov-Eliashberg 代数が有限生成であるのに対し、ルジャンドルグラフに対してのそれはグラフが枝別れする点ごとに無限個の生成元が現れることが大きく異なり、構成においても注意を要する。この研究成果を B. An and Y. Bae, A Chekanov-Eliashberg algebra for Legendrian graphs (arXiv:1803.05717) に纏めた。 (2) 結び目補空間の余接束で、底空間のエンドに付随した然るべきラグランジュ部分多様体の列を考え、その wrapped Floer ホモロジーを用いて結び目の不変量を構成する計画を進めた。すなわち、エンドに収束するラグランジュ部分多様体 (底空間が負曲率のときに Busemann 関数のレベル集合の余法束たち)の wrapped Floer ホモロジーや A-無限大構造を研究を通して、特に双曲結び目の研究に新しい視点を与え、結び目接触ホモロジーと関連付けながら研究する。ここでは、正則曲線のモデュライ空間のコンパクト性についての議論で 新しいアイデアが必要となる。この研究は、2018年度以降も継続する計画であり、S. Kim, Y-G. Oh 両氏との共著論文に纏めるべく研究に励んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Y. Bae は 2017年10月末に外国人特別研究員として着任し、ルジャンドルグラフの Chekanov-Eliashberg 代数の構成や結び目補空間の余接束の Floer 理論の研究の進展状況や議論の細部について、定期的に受け入れ教員の小野とセミナーを持ち議論をした。彼はこれまで、シンプレクティック構造や接触構造の研究で実績を上げているが、京都の低次元トポロジーの若手研究者とのセミナーなどを通して幅も広げつつある。着実に研究が進展している印象をもったので、「おおむね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
Y. Bae は外国人特別研究員として着任した時から具体性のある研究計画を立てており、関連するいくつかの研究テーマを持っている。日本国外の研究者 (Pohang IBS-CGP Y.-G. Oh 氏, B. An 氏, Giessen 大学 K. Zehmisch 氏) と研究交流を保ち、また日本の研究者とも議論を深めることで、彼自身の研究テーマを深めていくことができると考えている。来日して半年ほどであるが、日本の研究集会で講演したり、他大学のセミナーに招かれ講演をしているので、その点でも心配はしていない。
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Research Products
(3 results)