2017 Fiscal Year Annual Research Report
Highly-sensitive molecular diagnosis using DNA-carrying nanoparticles with amplification reactions
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17F17343
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
前田 瑞夫 国立研究開発法人理化学研究所, 前田バイオ工学研究室, 主任研究員 (10165657)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHANG CHIA-CHEN 国立研究開発法人理化学研究所, 前田バイオ工学研究室, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2017-11-10 – 2020-03-31
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Keywords | 核酸 / 金ナノ粒子 / 酵素反応 / 比色分析 / ニッキング酵素 / キニーネ / アプタマー / 表面プラズモン共鳴 |
Outline of Annual Research Achievements |
金ナノ粒子は分散状態では赤色を示すが、凝集すると表面プラズモン共鳴シフトにより青色になる。表面に短鎖DNAを密生させた金ナノ粒子は、DNAの鎖長や立体構造に応じて分散安定性が鋭敏に変化する。したがって、DNA修飾金ナノ粒子を切断、連結、重合などの酵素反応と組み合わせれば、さまざまな比色分析法に応用できる。本研究では、DNA修飾金ナノ粒子の酵素反応操作に基づくキニーネ比色分析法を構築した。キニーネはトニックウォーターなどの清涼飲料水に添加される苦味剤であるが、過剰摂取が神経毒症状を引き起こすことが報告されている。したがって、その量を簡便に検知する分析法の開発は重要である。本法は、ヘアピン型DNAアプタマープローブ、ニッキング酵素、およびニッキング酵素に認識・切断される配列をもつDNA修飾金ナノ粒子の3つで構築した。キニーネが試料溶液に含まれていると、ヘアピン型DNAアプタマープローブがキニーネに結合すると同時に直鎖状に開いて、粒子表面のDNAと二重鎖を形成する。この二重鎖のうち粒子表面に固定されたDNA鎖のみがニッキング酵素に切断され、ヘアピン型DNAアプタマープローブが粒子表面から遊離し、ほかの粒子の表面に結合して再利用される(信号増幅)。表面DNAが短縮されると粒子間の静電反発と立体反発が弱まるので、粒子は凝集して赤色から青色に変化する。これが本法の検出原理である。本年度はこの分析システムの概念実証実験に成功し、さらにキニーネ以外の物質(たとえばテトラサイクリンやクロラムフェニコール)には応答しないこと、米国食品医薬品局で認可されている上限量の10分の1の量が目視検出できること、ヒト尿中に添加したキニーネも同様に目視検出できることを明らかにした。アプタマーの種類を変えることで、さまざまな標的物質の目視検出法に応用展開できると考えられる。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Research Products
(3 results)