2018 Fiscal Year Annual Research Report
Photonic and electrochemical based dengue serotype-specific detection using carbon quantum dots
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17F17359
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
朴 龍洙 静岡大学, グリーン科学技術研究所, 教授 (90238246)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DUTTA CHOWDHURY ANKAN 静岡大学, グリーン科学技術研究所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2017-11-10 – 2020-03-31
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Keywords | カーボン量子ドット / ウイルス検出 / デングウイルス / 示差パルスボルタンメトリー / 蛍光検出 / DNA |
Outline of Annual Research Achievements |
デングウイルス(DENV)は蚊によって媒介され、東南アジアを始め世界的感染が広がる可能性の高い感染症の原因ウイルスである。しかしDENVの検出法は、主に逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)に頼っている。一般にリアルタイムPCR法は、高価で、複雑な操作が必要なため高度の経験者でないと使用できない場合が多い。DENVの場合、4種類の血清型が存在し、2回目に異なる血清型のDENVに感染された場合、病状が重篤化されるため、ウイルスの検出と同時に血清型の判別は非常に大事である。 本研究では、DENVの定量と血清型の判別を同時に行う2重検出手法の開発を目指した。金ナノ粒子(AuNP)と窒素、硫黄を塗布したグラフェン量子ドット(N、S-GQDs)から成るナノ複合体(N、S-GQDs @ AuNP)を作製し、N、S-GQDs @ AuNPの表面にはアデニン10残基を修飾した。一方、4種類の血清型特異的20塩基配列にそれぞれ異なる4つの蛍光色素を標識した4種類のDENVプローブを作製した。血清型に合う塩基配列の存在下では、N、S-GQDs @ AuNPとDENVプローブはハイブリダイズするので、未反応のプローブを洗浄することで、特異的な蛍光を得ることができる。また、酸化還元指示薬としてメチレンブルーを用いた示差パルスボルタンメトリー(DPV)によるDNAを定量化することができる。この様な手法で、N、S-GQD @ AuNPが4つのDENV血清型を効率的に判別することができ、さらにその検出限界は、9.4 fMであった。本検出法は、臨床的に分離されたDENV DNAにも適用され、満足できる性能を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究が成功するために、ナノ複合体(N、S-GQDs @ AuNP)と4種類のDENVプローブのどちらのプローブにDENVの遺伝子が結合し、未反応の蛍光プローブを完全に洗浄する必要がある。作製したN、S-GQDs @ AuNPの諸性質は各種機器を用いて求める性質が確認できた。さらに示差パルスボルタンメトリーの応答が明確であり、その応答がDNAの結合量に比例したので定量化が可能であった。本研究のDENVの検出の成果は、血清型の判別と同時に検出可能な検出系として、世界初めてであり、計画以上の進捗であると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
本検出システムを用いてウイルスを検出し、問題点を改善し、キット化を目指す。 1.ウイルス検出に必要なパラメーターを設定し、定量的に検出できる手法を確立する。検出感度、ウイルスに対する選択性及び抗体の交差反応を確認しながら、最適検出条件を確立する。 2.上記の研究で確立したプロトコールに従い、デングウイルス様粒子をウイルス材料として検出を行う。検出が可能であれば、検出系の安定性をチェックしながら、臨床用ウイルスを検出する。このような検出の成果を特許や論文に発表しながら、民間企業とキット化を目指す。
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Research Products
(14 results)