2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of multi-component garnet scintillators for Medical applications
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17F17379
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉川 彰 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (50292264)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BARTOSIEWICZ KAROL 東北大学, 金属材料研究所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2017-11-10 – 2020-03-31
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Keywords | シンチレータ / ガーネット型結晶 |
Outline of Annual Research Achievements |
シンチレータは放射線を検出する光学素子であり、ガン診断など放射線を用いた装置では必須の材料である。ガン診断装置では、蛍光寿命の高速化が、放射線(ガンマ線)検出器の原理から、必要である。近年、既存のシンチレータ結晶に100-1000 ppmの非常に少ない量のCa2+,Mg2+などの元素を共添加することで、発光量が維持ないしは増大し、蛍光寿命が数十%から2倍程度まで高速化される例が多く報告されてきた(共添加効果)。特に、ガーネット系にそのような事例が多く報告されているが、共添加による効果が発見されてから数年しか経っていないことから、まだ十分に研究されていない。 そこで、本研究ではガドリニウム(Gd)を主成分とする(Gd, Y)<sub>3</sub>(Al,Ga)<sub>5</sub>O<sub>12</sub>(以下GAGG系)およびGdよりもさらに重いルテチウム(Lu)をベースとした(Lu, Y)<sub>3</sub>(Al,Ga)<sub>5</sub>O<sub>12</sub>(以下LuAG系)で共添加効果の調査を行っている。 なお、Lu系のほうが、原子番号が大きいため、ガンマ線の検出効率が向上し、より核医学などの分野での応用は有効であるため、本研究は非常に重要である。 これまでに、独自の結晶育成方法であるマイクロ引き下げ法を用いて、Mg<sup>2+</sup>を微量添加したGAGG系列の結晶を育成した。そして、結晶の加工、研磨後に光学特性評価を行ったところ、Mg<sup>2+</sup>を添加したときに比べて蛍光寿命が高速化したことが分かった。また、高速化のメカニズムとして、発光賦活剤として添加したCeイオンの一部が、発光をつかさどるCe<sup>3+</sup> にならず、Ce<sup>4+</sup>として存在することが吸収スペクトルなどから類推された。これらの結果は、次世代の医療機器などの放射線検出素子に導入が期待できるものであった。また、関連した内容で国内学会等での発表を行うことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた以上に結晶育成が順調に進んでおり、得られたサンプルの基本的な光学的特性評価も順調に進んでいる。さらに、蛍光寿命の高速化についても見ることができているため、当初の計画以上に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、計画している結晶の育成について、マイクロ引き下げ法を中心に利用して行う。また、シンチレータとしての発光量や蛍光寿命などの基本的な光学的測定についても実行する。加えて、シンクロトロン照射施設などの外部実験施設でしかできない、より深い発光機構の解明などについても取り組む。そのために、外部実験に参加するとともに、これまでに得られた知見をまとめて、国際学会で発表する。
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Research Products
(1 results)