2018 Fiscal Year Annual Research Report
ペプチドタグを用いたタンパク質のアモルファス凝集体の制御及びその細胞毒性の解析
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17F17392
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
黒田 裕 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10312240)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
VELMURUGAN PUNITHA 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2017-11-10 – 2020-03-31
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Keywords | 細胞毒性 / 可溶性ペプチドタグ / アモルファス凝集 / 凝集形成の分光計測 / タンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
タンパク質の凝集は、医学やバイオ産業において重要な研究課題であるにも拘らず、凝集体形成の物理化学は殆ど解明されていない。本計画では、受け入れ研究者が独自に開発した3~7残基から成る溶解性制御タグ(Solubility Controlling Peptide;SCPタグ)を用いて、タンパク質を小さく不定形な可溶性凝集体(soluble amorphous aggregates)に会合させる。また、SCPタグ配列を変異させることで意図したサイズの不定形な可溶性凝集体を生成し、その物性や構造を動的光散乱やNMR(核磁気共鳴法)などの分光学的手法を用いて明らかにし、さらに、その細胞毒性を検証する。本研究で得られる知見により、タンパク質凝集体形成分子機構への理解が深まることに加え、無毒なタンパク質が会合することによって細胞毒性を取得するか否が、物理化学的な視点から明らかになると期待される。 2018年度には、受け入れ研究者が独自に開発した3~7残基から成る溶解性制御タグ(Solubility Controlling Peptide;SCPタグ)を用いて、タンパク質を小さく不定形な可溶性凝集体(soluble amorphous aggregates)に会合させた。会合体のサイズが意図したもので、不定形な可溶性凝集体を生成されていることを円偏光分光法や動的光散乱法などの分光学的な手法を用いて明らかにした。さらに、HeLaのモデル細胞に対する細胞毒性を、MTT 法(3-(4,5-dimethylthiazol-2-yl)- 2, -diphenyltetrazolium bromide assay))を用いて検証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年度の計画は当初の予定通り順調に進展している。2017~18年度には、モデルタンパク質の発現系構築、SCPタグ付加した変異体の発現系を作製、及び大量・精製条件を検討した。さらに会合体の物性及び構造を、動的光散乱法、蛍光分光法、円偏光二色性法などを用いて解析し、不定形で可溶な凝集体の安定的な形成を検証し、モデルタンパク質に付加するSCPタグの配列を改変することで、凝集体サイズ及びその安定性を制御する手法を開発した。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は上記の結果をまとめ、学術論文発表の準備を行う。また、論文執筆に際して、必要な追加実験を行う。特に、無毒なタンパク質が形成する不定形凝集体が細胞毒性を有する場合、その現象の一般性を検証するために、上記実験で用いたタンパク質とは異なるモデルタンパク質又は異なるモデル細胞を用いて確認実験を行う。とりわけ3T3, Vero 及びA549などの市販のモデル細胞に対する細胞毒性を検証する。また、生理条件下で不定形凝集体の安定性の範囲を検証し、会合体形成のタンパク質濃度や試料温度に対する依存を検証する。
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Research Products
(1 results)